1 | 木村拓哉、いつかはクラウン |
日本車には、長年イメージキャラクターなるものが存在する。神話的なものは日産『セドリック』の二谷英明夫妻、同『ブルーバード』の加山雄三であろう。
近年では、木村拓哉が初代トヨタ『RAV4』→新型『カローラ』へとステップアップしながらトヨタ車の顔を務めている。「あと10ン年すると工藤静香とともに、往年の山村聡&吉永小百合コンビの如く『クラウン』のイメキャラになる」というのが、ボクの大予言である。
イタリアやフランスは? というと、日本と比べて有名人を車CMに起用することは少ない。
個人的に過去10年で印象に残っているものといえば、1997年シトロエン『クサラ』のクラウディア・シェーファー、99年ランチア『リブラ』のハリソン・フォード、2000年アルファロメオ『156スポーツワゴン』のキャスリーン・ゼータ・ジョーンズ、最近のフィアット『イデア』のジョージ・クルーニーあたりである。
さらにこちらでは、スターの出演は1モデルサイクルのみで、それも全期間に亘っては起用されない。高額なギャラから考えれば当然なのだろうが、そのためRAV4=キムタクといったイメージの関連づけが人々の脳裏に残ることは稀である。
いっぽうイタリアやフランスで長年継続しているキャラクターがある。食品のパッケージや酒類のラベルに印刷された「美人画」である。
日本における食品パッケージ女性といえば、即座に『ボンカレー』の外箱に刷られた、ほのぼのとした松山容子の着物姿を思い出す(数年前、松坂慶子にバトンタッチした)。対して伊仏のそれは、限りなく妖艶である。