ホンダの新型クロスオーバーSUV『クロスロード』(22日発表)は、コンパクトなエンジンルームとロングキャビンが特徴。全長4.2m台というコンパクトなサイズながら、プロポーションは“ベビーハマー”。
いかにもアメリカ市場のユーザーが喜びそうなスタイリングだが、「今のところは国内のみの展開を予定している」(福井威夫社長)という。また、ホンダは今年、「このクロスロードを皮切りに、登録車を中心に新型モデルを投入していく」(西前学執行役員)という。
現在、日本市場における登録車、いわゆる普通乗用車の販売は、連続19カ月前年割れと、不振をきわめている。「自動車メーカーが日本のユーザーにマッチしたクルマを積極的に投入して市場を再興させるべき」(自動車業界関係者)との思いは各メーカーに共通するものだろう。
クロスロードは3列シートの小型クロスオーバーSUVという、かなり特異なキャラクターづけがなされている。
車体開発を手がけた四輪開発センターの田代浩主任研究員は、「市場を活性化させるには、自動車メーカー各社が多様な価値観を提供することが肝心。単にいいクルマづくりを目指したのでは、どのクルマも似たようなものになってしまう。クロスロードを作るときに意識したのは、ホンダ流の価値観を盛り込むことでした」と、クロスロードに込めた思いを語る。
新型車は大きく分けて、既存のマーケットに合わせて作るものと、新しい市場の創出を目的としたもののふたつがあるが、クロスロードの役割は後者。ホンダ流の遊び心は、果たしてユーザーにどれだけ受け入れられるか!?