いよいよ開幕戦オーストラリアGP(18日決勝、メルボルン)を目前に控えた12日、「Honda Racing F1 Team(HRF1)」が都内で記者会見を実施し、2007年のF1世界選手権シリーズ参戦に向けて“出航”した。
すでに2月19日に、F1を含む今季のモータースポーツ活動に関する発表会を済ませているホンダだが、当時は開発テストが真っ盛りの時期であり、F1ドライバーの来日がかなわなかった。そこで、メルボルン入りの道中に日本立ち寄りの日程を挟み込み、HRF1およびスーパーアグリF1チーム(SAF1)の、計4人のホンダ系レギュラードライバーと首脳陣が一堂に会したかっこうである。
大島裕志・担当執行役員や中本修平シニアエンジニアリングディレクターらが強調する、HRF1の今季マシン「RA107」の最優先開発コンセプトは、「空力効率の改善」だ。そのために「大幅な形状変更を行ないました。大きな変更をしただけに、テストでは良いところも見つかりましたし、問題点も見つかりました」と中本氏。
「テストでのタイムは良くはなかった」ことも認めたうえで、「開幕戦までに(問題をすべて解決すること)は、間に合わない」としながらも、それだけのビッグチェンジに挑んだことこそが「ホンダらしいチャレンジ」であると、中本氏は信念の強さをのぞかせる。
短期的には苦しんだとしても、中長期的に大きな進化を得るための、空力コンセプト大幅変更。成果が発揮されるのは、欧州ラウンドが本格スタートする5月13日決勝の第4戦スペインGPあたりからか?