27人死傷のスキーバス事故、運転の男を逮捕

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今年2月、大阪府吹田市内の府道でスキーバスがモノレールの橋脚に激突、27人が死傷した事故について、大阪府警は14日、このバスを運転していた22歳の男を業務上過失致死傷と道路交通法違反(過労運転)容疑で逮捕した。男に過重労働を指示していたバス会社の社長の男と、専務の女(男の両親)も道交法違反(過労運転下命)容疑で同時に逮捕されている。

大阪府警・吹田署によると、問題の事故は今年2月18日早朝に発生した。吹田市津雲台7丁目付近の大阪中央環状線西行き車線を走行していたスキーツアーの大型観光バスが道路左側にある側道との分離帯に接触。そのまま道路右側に弾き飛ばされ、中央分離帯部分に設置された大阪モノレールの高架橋脚に激突した。バスは前部が大破し、最前部の補助席に座っていた16歳のアルバイト添乗員の男性が死亡。21歳(当時)の男性運転手を含む25人が骨折や打撲の重軽傷を負った。

その後の調べで、バスを運転していた男は事故当日までの1カ月間、連日のように長野と大阪の間を往復。24時間以上連続した休日は3日間のみで、スキーバスが稼ぎ時となる2月に入ってからはゼロということが判明した。

労働基準法ではバス運転手の拘束時間は「4週間で260時間まで」と定められているが、男の拘束時間は405時間に達していた。こうした勤務はバス会社を経営する両親が命じていたことも明らかになっており、警察では事故を起こした直接の当事者として男を逮捕するとともに、両親も過労運転下命の容疑で逮捕している。

調べに対し、運転していた男は「長野で高速道路に入ったときから疲労を感じていた。高速道路を降りて油断したのか居眠りをしてしまった」と容疑を大筋で認めている。しかし、バス会社の社長である男の父親は「(男が)過労状態だったとは思っていない」などと供述。容疑を否認しているという。

《石田真一》

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