覚せい剤使用後に衝突事故を起こした男に懲役22年判決

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昨年8月、覚せい剤の使用後にクルマを運転し、対向車線への逸脱事故を起こして3人を死傷させたとして、危険運転致死傷や覚せい剤取締法違反などの罪に問われた36歳の男に対する判決公判が22日、札幌地裁で行われた。裁判所は懲役22年の実刑を命じた。

問題の事故は2006年8月3日夕方に発生した。北海道留萌市留萌村留萌原野付近の国道233号を走行中のRVが対向車線側に逸脱。28歳の女性が運転する軽乗用車と正面衝突した。衝突時にRVは約90km/hの速度が出ており、軽乗用車は大破。運転していた28歳の女性と、助手席に同乗していた25歳の女性が頚部骨折や頭部強打で死亡。後部座席に同乗していた1人も重傷を負った。

RVを運転していた男は事故直後から意味不明の言動を繰り返していたことから、警察が尿検査を実施したところ、覚せい剤の成分を検出。事故当時は薬物中毒による酩酊状態だったとして、検察は危険運転致死傷などの罪で起訴していた。

公判において被告弁護側は「覚せい剤の使用は事故の9日前」と主張していたが、22日に行われた判決公判で札幌地裁の井上豊裁判長は「事故の数日前まで覚せい剤を使用していたのは明らか」として、覚せい剤の使用自体を認定した。

その上で裁判長は「事故当時は覚せい剤の影響を受けており、正常な運転が困難な状態だった」と指摘。「何の落ち度もない2人の命を奪った結果は重い。常軌を逸した運転を続けたのは反社会的であり、悪質極まりない」として、被告に対して懲役22年の実刑を言い渡した。

《石田真一》

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