多重衝突のきっかけとなる事故を起こした男に有罪判決

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2005年11月、滋賀県彦根市内の名神高速道路で多重衝突に発展する事故を起こし、2人を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた54歳の男に対する判決公判が23日、大津地裁で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を言い渡している。

問題の事故は2005年11月13日早朝に発生している。彦根市小野町付近の名神高速道路下り線で、パンクが原因で低速走行していたワゴン車に対し、今回の被告が運転する大型トラックが追突した。ワゴン車は弾みで横転。衝突を回避するため、ワゴン車の手前で停車したクルマ6台に対し、後ろから走ってきた別の大型トラックが突っ込んできた。このトラックは停止車両を蹴散らすように約30m暴走。一連の事故で10人が死傷している。

多重衝突事故を起こした男については今年1月、「過労状態による前方不注視が事故の原因になった」として、禁固3年の判決が言い渡されたが、この多重衝突事故の発端となったのは、今回の被告が起こした追突事故であり、死亡した7人のうち2人がこの追突によって死亡したと考えられることから、責任の一端があると判断されていた。

23日に開かれた判決公判で、大津地裁の久禮博一裁判官は「死亡した2人の受傷状況から判断するに、被告が起こした事故による直接原因で2人が死亡したと認定するに足る証拠はない」としたものの、後に起きる多重衝突のきっかけを被告が生じさせたことは認定。「後続車による事故を誘発させており、被告の過失と2人の死亡には因果関係が認められる」と判断。被告に対して禁固2年(執行猶予4年)の有罪判決を命じている。

《石田真一》

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