クリスマスの悪夢、1審判決を支持---仙台アーケード暴走

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2005年12月、宮城県仙台市青葉区内のアーケード街にワゴン車で進入し、買い物客7人を次々にはねたとして傷害の罪に問われていた53歳の男に対する控訴審判決公判が24日、仙台高裁で開かれた。裁判所は1審判決を支持。被告の控訴を棄却している。

問題の事件は2005年12月25日夕方に発生している。仙台市青葉区一番町3丁目付近のアーケード街「マーブルロードおおまち」にワゴン車が進入し、速度を上げながら買い物客を次々にはねた。この事故で子供を含む男女7人が打撲などの軽傷を負い、運転していた52歳(当時)の男は業務上過失傷害や道路交通法違反(ひき逃げ)の現行犯で逮捕。最終的には傷害罪で起訴されている。

1審の仙台地裁(卯木誠裁判長)は被告が2005年4月に発生したアーケード暴走事件を模倣したことと、統合失調症の影響下にあったことは容認した。しかし、被告が暴走時にアクセルを緩め、衝突時の速度を25km/h程度に調整していたことから「心神喪失状態ではなく、判断能力は有していた」として、刑事責任能力があったことを指摘。被告に対して懲役3年の実刑判決を言い渡したが、弁護側は「妄想に支配されるなど、被告は犯行当時は心神喪失状態であり、刑事責任能力は無い」として控訴していた。

24日に開かれた控訴審判決公判で、仙台高裁の木村烈裁判長は「被告は人を殺さないように衝突直前に減速しており、判断や行動制御の能力を相当程度保っていた」と指摘。「動機が妄想に支配されば心神喪失とする弁護側の主張には疑問が残る」として、刑事責任能力ありと判断した。

その上で裁判長は「クルマが進入せず、安全であるべきアーケード街で無警戒だった歩行者を次々とはねた危険で悪質極まりない犯行で、社会に与えた影響も大きい」として1審判決を支持。被告の控訴を棄却している。

《石田真一》

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