クルマを強奪して自殺を図った男に懲役30年を求刑

自動車 社会 社会

2006年11月、京都府城陽市内で自殺を目的に女性が運転するクルマを強奪。この女性を同乗させた状態で故意に衝突する事故を起こし、女性を死亡させたとして、殺人などの罪に問われた41歳の男に対する論告求刑公判が27日、京都地裁で開かれた。検察は懲役30年の実刑を裁判所に求めている。

問題の事故は2006年11月18日未明に発生している。城陽市寺田庭井付近の国道24号を走行していた軽乗用車が対向車線側に逸脱し、対向車線を順走していた乗用車と正面衝突した。この事故で逸脱したクルマの助手席に同乗していた33歳の女性が死亡。運転していた41歳の男が両足を骨折する重傷を負った。

クルマは死亡した女性が所有するものだったが、事故の直前に男が包丁で女性を脅して強奪。男は自殺を目的として故意に事故を起こし、女性はその巻き添えで死亡したことが判明した。警察では「事故に巻き込まれた他人を死傷させるという認識が男にはあった」と判断。未必の殺意が生じていたものとして、男の回復を待って殺人(同乗者)と殺人未遂(対向車乗員)の容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

27日に京都地裁で行われた論告求刑公判で、検察側は「被告は女性が単独で運転するクルマを選んで強奪に及んでいた。その犯行は合理的であった」と指摘した。さらに「弁護側は被告の心神耗弱を主張するが、被告は事故の直後に同乗していた女性の状態を救急隊員に聞くなど、善悪の判断も出来ていた」と認めた。

その上で「被告の不安や妄想は公判が始まって以降に作られたものであり、些細な不安を誇張したものに過ぎず、これを到底信じることはできない。犯行当時の被告には責任能力があり、無差別な通り魔事件で将来の夢を突然奪われた被害者の無念は察するに余りある」として、裁判所に懲役30年の実刑を求めた。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. メルセデスベンツの主力SUV『GLC』、新型を9月に世界初公開へ
  2. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. カワサキ『Ninja ZX-25RR』を日本初導入、価格は105万2700円 スタンダード版「25R」は廃止
  5. その名の通り1000馬力! 新型スーパーカー『ブラバス1000』発表、AMG GTのPHEVをさらに強化
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る