「なんだか『ヴォルツ』のテイスト…」。それが、新型トヨタ『イスト』の第一印象だ。ヴォルツとは、先代『カローラワゴン』をベースにGMと共同開発し北米で生産、日本に輸入していたSUVテイストのステーションワゴン。
ヘッドライトの造形やバンパー細部の処理、プレスラインの入れ方、そしてそれら全体が放つ車両の雰囲気が、新型イストとヴォルツで近い雰囲気を感じるのである。
ヴォルツと新型イストに共通点があるとすればそれは「北米」だ。ヴォルツの本筋がポンティアックブランドで売った『ヴァイブ』だったように、新型イストも北米ではサイオン(北米トヨタの若者向けブランド)『xD』として販売するのである。
そしておそらく、関係者は表面的に肯定しなかったが、新型イストの開発は日本仕様をわずかな手直しだけで北米にサイオン『xA』として輸出した先代と違い、より販売台数が見込めるサイオン『xD』としての存在に大きくウェイトが置かれているのだろう。
そう考えれば、先代イストとの変更点も理由が見えてくる。コンパクトカーなのに5ナンバー枠を超える全幅も、1.8リットルのエンジンも、素直に日本人好みとは思えない内外装デザインも、「北米」をキーワードにすることですべて納得できないか?