◆ナビゲーションデバイスのマーケットはまだまだ伸びる----:まず、「Drivtrax(ドリブトラックス) P5」の名の由来についてお教えください。
石黒:はい。「ドライブ」(Drive)と「運ぶ」を意味する“Transfer”、そして未知数の「X」をかけたものです。PはポータブルのPです。「5」には深い意味はありません。廉価化して3、4とか。上級に移行して7とか8とかもあるかもしれませんね(笑)。
----:Drivtrax(ドリブトラックス)はクラリオンのPNDシリーズのブランド名となるわけですね。ところで、御社はOEMでナビをメーカーに納め、また市販ナビも用品店で売っています。そこに低価格のPNDを市場に出してきました。他社さんは自分の首を絞めるかもしれないなあ…と重いながら見ているかもしれません(笑)。あえて御社がPNDをやる、という理由はどこにあるのでしょうか?
石黒:まず世界的な傾向として、PNDの市場が欧州・北米を中心に広がりを見せています。ハードウエアを何とか国内にもってこれないか、という発想です。実際、ドリブトラックスP5は欧州モデルがベースになっています。
国内のカーナビ市場に目を向けると、AVN系が頭打ちになってきている状況で「次の一手」は私たちにとっても大きな課題でした。そうなるとやはり次はPNDだろうと。ナビの新車装着率は高まっていますが、トータルで見ると日本で走っている全てのクルマ7500万台にたいして、カーナビの搭載率はまだ3割に過ぎません。ナビゲーションというカテゴリーの裾野はまだまだ広がる余地はあると思います。
----:日本のカーナビ市場にはまだ未来がある、と。日本への導入に当たって、開発に力を入れた部分はどこでしょうか。
石黒:日本の道路は海外と比べてたいへん複雑ですから、やはり誘導に関してはかなり開発に手間をかけましたね。基本的に国内向けのAVNにある機能はドリブトラックスでも同様に整備しました。また地図や案内のデータにしても2GBの容量の範囲で入れ込めるだけのデータを入れ込みました。名称検索は16万件、電話番号は800万件収録しています。ハードウェアは海外仕様とほぼ同じですが、ナビのアプリケーションを中心としてソフトウエアにはかなり手を入れています。
----:汎用OSのウインドウズCEを採用し、スタイラスペンでの入力と、PDA的なデジモノ系インターフェースを採用してきましたね。
石黒:限られた画面でたくさんの情報を表示するとなると、どうしてもひとつひとつのボタンが小さくなってしまうんですね。基本は指で押せるような大きさでインターフェースを作り込んでいますが、スタイラスペンを使った方がより的確に押せるということで、付属させました。