PNDの開発は「やりがいのある仕事」----:ドリブトラックスは車載用途以外の使い方も積極的にアピールしていますね。
石黒:小型・軽量・バッテリー内蔵といったメリットを活かした使い方を提案しています。オプションとしてバイクの取り付けキットも設定しています。これがかなり好評なんですよ。
----:バイク用の後付けナビゲーションはどこも手を付けられなかった分野ですからね。
石黒:バイク向けショップへの展開を図っているところですが、評判はいいですね。これまでナビを購入していた層とはまったく違う方々に購入いただいています。裾野は広がってきたな、という実感はあります。
----:お店によっては5万円を切る価格で販売されているところもあります。
石黒:価格のターゲットとして5万前後を、というのはありました。
----:この価格とパッケージサイズなら、お店にふらりと寄って、持ち帰りで買っていけます。またこのドリブトラックス、カー用品店だけでなく家電店でも売られていますね。
石黒:当社はカーオーディオ・カーナビのメーカーですから、これまで販路として家電量販店という選択肢はありませんでした。ですが今回を機に、家電店や通販で扱っていただくことで、「クラリオン」ブランドの認知度を高めることに貢献していると思います。
----:発売以来、販売は非常に好調と聞いていますが。
石黒:当初は年間販売目標を1万5千台としていたのですが、5万台にまで上方修正しました。
----:今後PNDの価格が下がっていくにつれて販売の仕方も変わっていくのかな、と思うのですが。たとえば今後は携帯電話に似た構造、2−3年使ったら買い換え、というパターンになっていくのかな、と…。
石黒:フルナビのような車載機はクルマにビルトインしてしまううえに20万円以上する高額商品ですから、商品の寿命もクルマと同じように7年、10年、となってしまうことも確かにあると思います。だったら5万円のPNDを3年ごとに買い替えていただく、という方法もありだと思っています。
販売スタイルということでいますと、今年から当社のホームページに直販サイトがオープンしたのですが、ユーザーが取り付けられるPNDのような商品は通販と相性がいいので、直販サイトは今後積極的に展開していきたいですね。直販のみのパッケージやノベルティをつけられたら、みたいなことは検討しています。
----:最後に、今度のPND開発の展望をお聞かせください。
石黒:今回ドリブトラックスをリリースした背景には、他社に先駆けて販売して一定のマーケットを獲得しておくことで、PNDの定義付けは先行しておきたいという狙いがありました。先ほどPNDの低価格化という話が出ましたが、私どもとしてはドリブトラックスをカーナビの単なる廉価版として価格競争に持ち込もうとは思っていません。今後も、何らかの付加価値をドリブトラックスに与えながら市場でのプレゼンスを確保していければと思っています。と同時に、AVNとの棲み分けも考えていかなければなりませんね。
----:競争の激しい分野で、開発はたいへんではないですか。
石黒:いや、逆ですね。成長途上の可能性がある分野で、今後さまざまなバリエーション展開が考えられます。そういった意味では企画のしがいがあります。どうやっていち早く次の手を打つか、常日頃から考えています。
----:本日はありがとうございました。
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