日本精工は、コンパクトで軽量な電動チルト・テレスコ機構を開発したと発表。26日から幕張メッセで開催される「第40回 東京モーターショー2007」に今回の開発品を出展する。
この実用化で、電動式チルト・テレスコ調整機能付きのステアリングコラムを大型車から小型車まで搭載可能となる。
新開発の電動式チルト・テレスコ調整ステアリングコラムは、チルトとテレスコ用の2つのモーター駆動ユニットが連動して作動することで、電動式チルト・テレスコ調整ステアリングコラムをコンパクトで軽量化できた。
この新機構は、従来それぞれ独立して直列に配置していたチルト駆動機構とテレスコ駆動機構を並列に配列することで可動部分を減らし、高い剛性と高い固有振動数を兼ね備える。このため、運転時の安全性・安定性の向上が図れる。
ステアリングコラム自体の軽量化により、燃費向上にも貢献するほか、2個のモーターが相互にアシストし、かつ駆動部の送りねじ機構のトルク伝達効率を向上することで、モーターの負荷を軽減し、モーターの総消費電力を従来比で40%削減できる。
電動チルト・テレスコ調整機能は欧米を中心に普及がはじまり、日本では高級車や大型車を中心に普及が進んでいる。 運転者の体格や嗜好により最適なハンドルポジションを電動で調整でき、快適な運転性を提供、さらには乗降時にハンドルが自動的に退避する、利便性も高い。
同社では、電動式チルト・テレスコ調整機構の快適性や利便性を追求し、高級車や大型車から中・小型車までの幅広い車種へ展開するため、コンパクトで軽量な電動式チルト・テレスコ調整ステアリングコラムの開発を進めていくとしている。