白バイとバスの衝突事故、「証拠捏造はない」と一審支持

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2006年3月、高知県春野町内の国道56号に隣接する飲食店駐車場から進出しようした際、高知県警・交通機動隊の白バイと衝突する事故を起こし、警官1人を死亡させたとして業務上過失致死の罪に問われた53歳の男に対する控訴審判決公判が10月30日、高松高裁で開かれた。裁判所は一審判決を支持。禁固1年4か月の実刑を命じている。

問題の事故は2006年3月3日の午後2時35分ごろ発生した。春野町弘岡中付近の国道56号で、道路に隣接する飲食店駐車場から進出してきたスクールバスと、走行中の高知県警・交通機動隊の白バイが出会い頭に衝突。白バイは転倒・大破し、運転していた26歳(当時)の隊員が全身強打で死亡した。

検察は路面に残されたブレーキ痕から「低速走行中のバスと、走行していた白バイが衝突した」と判断。スクールバスが安全確認を怠り、反対車線側へ右折するために漫然と進出したことが事故の主因と断定し、運転してた男を業務上過失致死罪で起訴。一審の高知地裁はバス側の一方的な責任で事故は生じたとして、禁固1年4か月の実刑を命じた。

これに対して弁護側は「事故当時、バスは反対車線側へ右折するために停止しており、そこに高速度で進行してきた白バイが衝突した」と主張。最大の証拠であるブレーキ痕については「事故当時に被告への確認がなされておらず、証拠写真のブレーキ痕は不自然である」として、警察による証拠の捏造を示唆。高松高裁へ控訴していたが、高松高裁は被告側が新たに提出した目撃証言や、交通事故鑑定人による鑑定結果などの証拠を一切採用せず、控訴審は1回で結審となった。

10月30日に行われた控訴審判決公判で、高松高裁の柴田秀樹裁判長は1審の高知地裁判決を全面的に支持。「ブレーキ痕は捏造されたものではなく、通常の注意義務を果たしていれば事故は回避できた」と判断。被告が死亡した白バイ隊員へ責任を転嫁した態度も悪質として、控訴を棄却した。

なお、被告は即日で上告している。

《石田真一》

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