【東京モーターショー07】ジェイテクトのフルトロイダルCVT

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【東京モーターショー07】ジェイテクトのフルトロイダルCVT
【東京モーターショー07】ジェイテクトのフルトロイダルCVT 全 2 枚 拡大写真

トヨタ系の部品メーカー、豊田工機と光洋精工が合併して誕生したJTEKT(ジェイテクト)は、発足後初めて東京モーターショーへのお目見え。アクティブステアリングやトランスミッションなどの先端技術を多数出展するなど、新ブランドの存在感をアピールしている。

その展示のなかで面白いのは、次世代トランスミッションの候補技術と目されているフル・トロイダルIVT(CVT)。

トロイダルCVTとは、金属ベルトを使わず、金属製のディスクとローラーを圧着させ、ディスクの傾きを変えて有効径を変化させることで連続的に変速比を変化させるトランスミッション。

IVT(Infinity Variable Transmission=無限・無段変速機)は、このトロイダルCVTの出力軸のところに遊星ギアによる減速機構を使用し、クラッチを使用せずに回転をゼロにできる方式のことだ。

旧光洋精工は長年、このフルトロイダルIVTの研究開発を行ってきたメーカー。毎回のように東京モーターショーに同システムを参考出品してきたが、いまだに製品として日の目を見ていない。ここに来て「ようやく高級車に採用されるレベルになった」(ジェイテクト関係者)となったという。

実際、従来のフルトロイダルIVTに比べ、大きさ、重量ともかなり削減されているという。燃費削減効果は6速AT比で約10%程度。

「コストの高さが問題視されていますが、量産されれば現行の6速ATと同等で行けると思います」(ジェイテクト関係者)。

現在技術展示されているものはRWD用のもの。スペックは、許容最大トルク450Nm以上と、大排気量V6に組み合わせるには充分以上。

今回、トヨタブースでは次期『クラウン』となる『クラウン・ハイブリッド・コンセプト』が展示されている。

通常のモデルは現行のV6+6ATの改良型と考えるのが妥当だが、最近のトヨタがパワートレインの世代交代に熱意を燃やしていることを考えるに、実はフルトロイダルIVTが採用される…などというサプライズはありやなしや!?

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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