トヨタ自動車は、現在開発中の人の活動をサポートする「トヨタ・パートナーロボット」について、将来に向けた取り組みと新たなロボットについて発表した。
トヨタでは、「3つのサスティナビリティ」の取り組みのキーワードとして、「研究開発」、「モノづくり」、「社会貢献」におけるサスティナビリティを追求している。パートナーロボットは、サスティナビリティを念頭に、モビリティ技術や生産技術など、同社のモノづくり技術を応用した開発を進めており、2005年の愛・地球博ではトヨタグループパビリオンのエンタテイメントとして、複数のロボットを出展した。さらに、今年は案内ロボットを開発し、現在、トヨタ会館で運用している。
トヨタでは、パートナーロボットの役立つ主なフィールドとして「家庭内での家事支援」、「介護・医療支援」、「製造・モノづくり支援」、「近距離のパーソナル移動支援」という4つの領域で検討しており、そのための技術開発は、工場での重い部品の搭載を容易にするアシスト装置のような「人と協調する技術」や、自律して動ける「移動技術」、走ったり跳んだりといった「全身運動能力」、「道具を使う能力」を念頭に開発を進めている。こうした状況下、新たに「モビリティロボット」、「バイオリン演奏ロボット」の2体のロボットを発表した。
モビリティロボットは、「近距離のパーソナル移動支援」を主眼に開発したもので、段差や斜面でも安定した走行が可能。屋内での自律移動機能や使用者の追従機能も備えている。また、バイオリン演奏ロボットは、「家庭内での家事支援」、「介護・医療支援」を念頭に、「道具を使う」ロボットとして開発した。両手・両腕に内蔵した合計17の関節を、高度な制御により協調させ、人間の手や腕の繊細な動きを再現する。
トヨタは、今後もこうしたパートナーロボットの開発を、産官学の連携を一層強化し鋭意進めることで、2010年代の早い段階でのパートナーロボットの実用化を目指して、積極的に取り組んでいく方針。