【新聞ウォッチ】環境元年は大波乱の幕開け…原油円高、株安、パリダカ中止

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気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップ、内幕を分析するマスメディアクルージング。

★2008年新春スペシャル版

07年末には海外からパキスタン元首相の暗殺という衝撃的なニュースが飛び込み、国内でも28日の「大納会」で日経平均が5年ぶりに前年末に比べて下落した。何やら不吉な予感がしたが、案の定、年が明けてみれば、原油価格が1バレル=100ドルを突破し、円高・ドル安が進行、米国株の急落に続いて、東京証券取引所でも4日の「大発会」は大幅な下落となり、大波乱の幕開けとなった。

さて、年末年始の紙面で気になるニュースは何か。自動車関連の記事を中心にチェックしてみよう。

まず、トヨタ自動車が年末会見で07年の生産・販売実績見込みと08年の計画を発表したが、GMを抜いて、ついに「世界一」に躍り出たことが判明した。大晦日の読売朝刊は社説でも「トヨタ世界一」を取り上げて「世界首位に立ったトヨタに死角はないのか」と問いかけながら「油断すると、すぐに足元をすくわれることを認識しておく必要がある」と結んでいる。

そのトヨタ首脳が福田首相の中国訪問に合わせ、奥田碩相談役と渡辺捷昭社長が同行、トヨタの天津工場を案内した。日本の新聞では工場視察の様子をほとんど取り上げていなかったが、30日付の中国・新華社が「驚きから興奮へ、日本首相の天津、経済・貿易の旅」と大きく報じていた。

年が明けて元旦の各紙は、別刷りの新年特集を含めてボリュームがたっぷり。総ページ数では日経が今年も116ページで一番多く、読売が112ページ、朝日が96ページなどと続く。

元旦の紙面をみると、京都議定書の約束期間が始まり、洞爺湖サミットも予定されていることから、朝日が1面トップで「環境元年・エコ・ウオーズ」と題して「急加速する地球温暖化の脅威」をシリーズで詳細にレポート。読売は別刷りで「温暖改変」、毎日は「暖かな破局・地球からの警告」、産経は「地球をどうしますか」、東京も「地球発熱」をテーマに特集記事を掲載した。

そんな中、日経は「日産、全車両15%軽量化、15年までに燃費1割改善」と1面準トップ扱い。朝日は「10年後」の企画でトヨタ自動車の渡辺社長の一問一答を取り上げ、「車とロボットの融合」について語っていた。

広告関係では、トヨタが「地球の図柄に3つのサステイナビリティ」を紹介、日産は東京モーターショーに出展した『PIVO2』、ホンダは箱根駅伝のTVコマーシャルでも流れていたレストランで働く『ASIMO』の全面カラー広告を掲載。その「ASIMO」は3日付の読売朝刊の特集企画「日本の知力」のカット写真としても1面トップで取り上げられた。

3日以降の紙面では、「昨年、交通事故死が54年ぶり5000人台、7年連続の減少」(3日付、朝日朝刊など)、「フォードのジャガー売却先、インドのタタ自動車第一候補(4日付、読売朝刊など)、「トヨタ、米新車販売で2位、昨年フォード抜く」(4日付、日経夕刊など)、モータースポーツファンにはショッキングな、イスラム共和国、モーリタニアの治安悪化で「パリ・ダカ中止」(5日付、毎日朝刊など)も報じられた。さらに、6日付の日経朝刊は「日本車海外生産、BRICsが北米を逆転、トヨタ、ブラジルに第2工場」と1面トップで掲載した。

また、新年恒例の「2008年トップ人事を占う」では、自動車メーカーは今年も「スズキの鈴木修会長の去就に注目」と、日経(3日付)が取り上げていたが、年末に小野浩孝専務役員が急逝したことから、後継候補は混沌としそうだとしている。

一方、3日付の日経の経営者・有識者による「景気・株価見通し」によると、スズキの鈴木会長は今年の景気を「拡大基調は続くも拡大のペースは上がらず」と答えている。株価ではトヨタの渡辺社長は高値を1万9000円(11月)、安値を1万4000円(2月)と予測。また、経営者が選ぶ有望銘柄はコマツ、トヨタ、三菱商事が上位を占めたほか、スズキが7位に急浮上。

しかし、新年のスタートともに「原油・円高、日米株安」と企業を取り巻く環境は厳しさを増してきた。きょうの産経には、インフレと景気停滞が同時進行する「スタグフレーションの再来がささやかれている」と報じている。

こうした中で、お目出たい話題といえば、百貨店の初売りで横浜高島屋が日産『GT-R』と宝石、高級腕時計をセットにした2008万円の「福袋」に11件の予約申し込みがあったそうだ。GT-Rの人気がいつまで続くのかも興味深い。

きょう7日は都内のホテルで経済3団体に続いて、自動車業界の賀詞交換会が開かれる。企業の経営者たちは新年の抱負をどんな気持ちで語ってくれるのだろうか。

《福田俊之》

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