新明和工業は、製造した型式指定車の完成検査業務の一部を省略したまま小型トラックを出荷していた事実が判明したことを公表した。
これは国土交通省への報告で明らかになったもので、同社は、特装車事業部湘南工場で、国土交通省の型式指定を受けた小型ダンプトラックを製造しているが、同省から、同社の完成検査業務に不備がなかったかどうかについて精査し報告を求める指示があり、同社で調査した結果、不正が見つかった。
同工場では2004年7月から2007年1月までの約31か月間に製造した車両について、制動力及び速度計の検査を適正に実施していなかったという不備があった事実が判明し、同省に報告した。
同社では、これら小型ダンプトラックのうち、完成検査に不備があった期間に完成した2万4116台に、不備がなかったことを確実に検証できなかった2007年2月から同年12月までの間に完成した5005台を加えた計2万9121台を対象に、現在までに継続車検や持込車検を経ているものを除外して絞り込み、これらの車両に対して、同社の負担で制動力及び速度計についての自主点検を実施する。
同社では対策費用として3億円を見込んでいる。
今回の件で同省からの処分は、未確定としている。