アウディ新型『A4』には1.8リットルターボエンジンを搭載する1.8Tが設定されている。1.8リットルのターボ車は先代にも設定されていたが、新型の1.8Tは新開発の直噴ターボとなり、先代と同じようにCVTを組み合わせている。
新型A4の1.8Tは先代よりも最高出力は3ps低い160psとなっているが、最大トルクは約10%近く向上した25.5kgmを発揮。しかもそのトルクバンドは1500 - 4500rpmと非常に幅広い。先代の1.8リットルターボも低回転のトルクが強かったが、それでも1950 - 4700rpmというトルクバンドだった。
そのため新型A4の1.8Tは、非常にフレキシブルな走りを見せてくれる。CVTとのマッチングが非常によく、発進から高速域までほとんど2000rpm以下で走れてしまうくらいに低回転域のトルクが厚いのだ。そして高速で巡航に入ってしまえば、100km/hの回転数は1800rpm程度に抑えらている。
もちろん100km/hに到るまでの加速も非常に軽快で、エンジンは2000rpm付近を維持したままでもCVTがスムーズに速度を乗せていってくれる。もちろんアクセルを深く踏み込めば回転数は跳ね上がって加速力も増すが、日常的な走行なら2000rpm以上回す必要がないぐらいに低回転のトルクが太いエンジンに仕上がっている。
回転数が低いので当然燃費もよく、高速巡航中の燃費計はつねに14-15km/リットルを表示していた。これなら10・15モード燃費に近い12.2km/リットルをマークするのも難しくはなさそうだ。
これほどまでに低回転を維持したまま、心地よい加速を与えてくれるクルマは今まで体験したことがない。この秀逸なパワーユニットは新型A4の大きな魅力だ。