ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(NISMO、ニスモ)は、プロダクションレース専用のベース車両として『フェアレディ Z Version NISMO Type 380RS-Competition』(以下、380RS-C)の2008年モデルを発売した。
380RS-Cは、スーパー耐久シリーズ「ST1クラス」に代表されるプロダクションレースエントラント向け専用車両で、2007年1月に発表・発売した2007年モデルに対し、さらなる車体剛性・空力性能の向上を図ったとしている。
07モデルは、2007年スーパー耐久シリーズST1クラスでシリーズチャンピオンを獲得している。07モデルからの主な変更点はリアウィングとロールケージ形状となり、また、今年度のスーパー耐久シリーズのレギュレーションに合わせて触媒を装着した。
仕様は、07モデルをベースとしていて、エンジンは、『フェアレディZ』に搭載されているVQ35HRエンジンのストロークを7mm延長し、排気量を3.8リットル(3798cc)とした専用仕様。さらにスーパー耐久シリーズST1クラスの車両規則に合わせてチューニングを施し、最高出力は294kW(400ps)以上、最大トルクは421N・m(43.0kgf-m)以上を発生。エンジンを制御する専用ECMは、MOTEC社製を採用。
また、動力性能を無駄なく路面に伝えるため、駆動系は6速クロスレシオ・トランスミッション、強化クラッチ(スーパーカッパーミックス)、メカニカルL.S.D.(GT L.S.D.)を採用。フロントブレーキには、Brembo社製6ピストンキャリパーと外径380mmの大型ローターを装着した。
ドアやボンネット等にカーボンファイバーを、ドアおよびバックドアのウィンドウはポリカーボネートを使用し、車体の軽量化を図り。その他、ロールケージ、バケットシート、セーフティハーネス、消火器、カットオフスイッチ等の安全装備のほか、95リットル安全燃料タンク等を装着して、車両購入後すぐに実戦レースへの参加が可能となっている。
ニスモでは、「380RS-C」を購入したエントラントに対し、エンジンのオーバーホール等のサポート(有償)を実施する予定。「380RS-C」は受注生産で、ニスモより直接販売となる。