フルサイズピックアップや商用車の市場参入を狙う日産自動車と、原油高から小型車生産のノウハウを求めるクライスラーグループが、相互に生産を請け負うことで新たな合意に達した。クライスラーは日産に対しピックアップトラックを供給、また日産はクライスラーにサブコンパクトクラス車を供給する。
また今回の合意により、日産は自社製ピックアップトラック『タイタン』を、クライスラーからの供給が始まる2011年には生産停止とする。一方クライスラーが受け取るのはおそらく日産『マーチ』(次期型)をベースとしたサブコンパクトで、デザインはクライスラーが独自に行い、こちらは早ければ2010年にも販売が始まる予定だと言う。
クライスラーといえばサブコンパクト生産のために中国のチェリー自動車とも提携を結んでいるが、クライスラーは今回の日産との合意によりチェリーとの提携に影響が出ることはないとしている。
日産とクライスラーは、クライスラーが南米市場に投入するために、『ヴァーサ』(日本で『ティーダ』)ベースセダンの提供をすでに合意しており、こちらは来年から販売が始まる。
詳細は未定だが、今後も日産とクライスラーの間でパーツの共有化なども進むと考えられ、今回の提携はグローバルな自動車業界再編に影響を及ぼすものとなる可能性もある。