日産自動車のパワートレイン開発を担当する薄葉洋常務は9日、今年9月に投入する『エクストレイル』のディーゼル車を手動変速機(MT)仕様のみとした点について「社内では相当に議論したが、乗って楽しいということを一番配慮した」と説明した。
薄葉常務によると、同モデルは低速時からターボチャージャー(過給器)が効くように可変ノズル式のターボを採用しているものの、ATにすると「MTより加速がやや遅い」という。
クリーンディーゼルの乗用車としては国内第1号となるだけに「新しいディーゼルはすごいと実感していただくよう、万全を期す」(薄葉常務)ための選択だと述べた。
一方、ハードルの高いポスト新長期規制への適合や燃費性能との関係では「ATでも規制はクリアできるし、燃費についてもMTとそう変わらない」(パワートレイン開発本部の木村修二・エキスパートリーダー)と説明している。
現状では規制の緩やかな欧州向け車両では、ディーゼルと6速ATの組み合わせもあり、日本向けにATが搭載される場合も、この組み合わせとなりそうだ。