ジャガーの新型車『XF』には3タイプのパワートレインが用意されている。これらは『Sタイプ』の後期モデルから踏襲されたものだが、それぞれにうまくキャラクターがわかれている。
ジャガージャパンマーケティング部の中根知彦さんは「XFには幅広いお客様にご満足いただけるように3タイプのエンジンを用意しております。4.2リットルのスーパーチャージャーを搭載したSV8では、『SタイプR』を超えるパワーを持っており、最上級モデルにふさわしい走りを見せてくれます」と語る。
スーパーチャージャーを搭載した4.2リットルV8エンジンの最上級グレード「SV8」は、最高出力は426psと強力だが低回転から過給を開始してくれるので、非常に扱いやすいエンジンに仕上げられている。車両重量は1900kgと重くはなっているが、そのボディを軽々と引っ張ってくれる。
3リットルV6エンジンを搭載するベーシックグレードでも滑らかな回転フィールが味わえ、エンジンの静粛性も高い。登坂路などでは力不足を感じる場面もあるが、XFの上質な走りを体感することができる。
4.2リットルV8エンジンの中間グレードでは、スムーズな吹け上がりと余裕のあるトルクフィールが両立されており、心地よい走りを披露してくれる。フットワークもしなやかさがあり、もっともバランスが取れたグレードといえるだろう。
いずれのモデルも、トランスミッションはすべて6速ATで、ステアリング裏のパドルシフトで変速することが可能だ。車格的にはV8が似合うクルマだが、V6を設定することでベースグレードを650万円に抑えられているので、V6モデルは価格面でのメリットも大きい。
もっとも上級なグレードであるSV8は995万円で、アンダー1000万円台に抑えられている。パワートレインや装備内容を考慮すると、ライバルと比べても競争力のあるプライスタグを実現している。