【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その2…開発人対談 橋本徹 MiEV事業開発推進室長

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【清水和夫のサステナブル・リポート】三菱i MiEV その2…開発人対談 橋本徹 MiEV事業開発推進室長
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■所有することに誇りを持てるエコカー

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清水:6-7割といわれている内燃機関を用いた自動車の効率に対して、電気モーターとインバーターを組み合わせての効率は9割近く。改めてEVの効率のよさに驚かされますが、さらなる効率アップは望めそうですか?

橋本:モーターの効率アップは可能ではないかと思います。あと、これはEVだけの話ではありませんが、発電する際の効率向上にも今後は期待したいところです。

清水:石炭を燃やす火力発電の場合、試算では43%。しかも大量のCO2を排出する。すなわち、このまま原子力発電の規模が拡大せず、火力発電に依存する比率が下がらない限りCO2は下げられないということです。非常にシビアな問題ですが、国民からコンセンサスを得られる21世紀型の原子力発電所の設置は急務であり、今後の大きなテーマになっていくはずです。

橋本:たとえば、i MiEVを家庭で充電していただく場合は、火力発電による電力供給が基本の昼間ではなく、原子力発電による夜間電力で充電していただいたほうが、CO2削減の点では有利だと思っていますが、それだけCO2削減を大局的に捉え、エネルギーの話をしないといけない時代になったということなんですね。

清水:いっぽう、クルマとしての魅力も大事だと思うのですが、その点に関してはいかがでしょう? つねに「新しさ」を欲している人は多いはずです。自分が今の新しい時代に生きている証としてEVに乗る。ライフスタイルとしてのEVという側面もあると思います。「EVはCO2がゼロだから」という理屈だけではダメなんだと思います。最初のEVとして高額になるのは避けられないとしても、それを補うだけのインセンティブが必要ではないかと……。

橋本:i MiEVは、来年からまず主に企業向けにデリバリーを開始しますが、国からの助成金を念頭に、実質的なお客様の負担額を250万 - 300万円程度にはしたいと考えています。現状では、軽自動車のiをベースにしていますが、リメイクも今後検討しますし、国に働きかけて、たとえばナンバープレートの色を黄色ではなく別の色で差別化するとか……。所有することにプライドを持てる、最終的にはそんな魅力にあふれたクルマに仕上げたいと思っています。

清水:航続距離が短いなど、EVとしての苦手分野があるのは確かですが、それもシティコミューターとしてとらえれば、「100kmしか走らない」ではなく「100kmも走る」に見方が変わるでしょうし、充電設備のインフラも時間貸し駐車場などに徐々に設置されるなど、徐々に整っていくようなので、私は将来は明るいと見ています。が、なによりEVが増えてこそのCO2削減でしょうし、また、スケールメリットが生まれれば車両価格を下げることも可能になる。

橋本:おっしゃるとおりです。「乗ってみないことにはわからない」。まず、EVが一般にほとんど認識されていないに等しい現状を把握することが大事だと思っています。そのうえで、家庭用電源から充電できる“プラグイン”の利便性、また、静かでスムース、発進時に大きなトルクを得られる電気駆動が、なにより「環境にいい」点を積極的にアピール。今後、徐々にでも皆さんの理解を得ていきたいと考えています。

<開発人 プロフィール>
橋本 徹  はしもと とおる
三菱自動車 商品戦略・開発統括部門 MiEV事業開発推進室長

1978年4月入社。開発本部乗用車技術センターを皮切りに、1993年エンジン設計部にてランエボ用ターボおよびGTO用V6ツインターボエンジンの開発チーフを担当。1997年駆動系設計部でCVTの開発主査を経て、2001年先行技術部長として三菱自動車の先進テクノロジーの開発指揮を執る。i MiEVの開発はベースモデルとなる i の先行プラットフォームを2002年より、延べ6年の歳月を掛け、商品化を果たした。

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《清水和夫》

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