「性同一性障害」で免停になった男性、勝訴

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イタリアで「性同一性障害である」とされて運転免許を停止された男性が慰謝料を求めていた裁判で、南部シチリア州カターニャの裁判所は12日、イタリア運輸省と防衛省に10万ユーロ(約1690万円)を支払うよう命じた。

問題が発生したのは2005年。地元の26歳の男性が徴兵検査のため軍病院に出向き、自分がホモセクシャルであることを告知した。

「性同一性障害」と診断した軍病院は、「運転に適応した心身状態ではない」としてイタリアで運転免許業務を管轄する陸運局に知らせた。通知を受けた陸運局が、男性が健康診断を再受診するまで彼の運転免許を停止したことから、男性はイタリア運輸省と防衛省を訴えていた。

運輸省と防衛省が控訴するかはまだ明らかにされていない。しかし男性の勝訴を受け、イタリアの同性愛者団体アルチゲイは、「今回の判決によって今後このような事件は起こらないだろう」とコメントした。ちなみにカターニャでは今回の判決が出る1週間前の7月5日、同団体主催のパレードも行なわれた。

参考までに、イタリアでは今回の問題が発生した2005年をもって兵役制度は廃止され、志願制に移行した。

また、運転免許の取得および更新(50歳まで10年毎)には、国家警察の医師による問診および視力検査を受診する義務がある。診察はイタリア自動車連盟の事務所もしくは民間教習所で指定日に行なわれ、診察料は60ユーロ(約1万円)前後と高価だ。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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