生まれ変わった2代目CTSの走りはアメ車の概念をくつがえす
日本向けの2代目CTSは3.6リッターV6直噴エンジン(311ps)と2.8リッターV6(214ps)を搭載。前者は先代・後期型の3.6リッターを直噴化した最新鋭ユニットだ。驚くべきは指定燃料がハイオクではなく全車レギュラーであること。10・15モード燃費は「3.6」が8.0km/リットル、「2.8」が8.1km/リットルとなっている。変速機は従来の5ATから全車6ATへと格上げされた。
プラットフォームは初代CTSの「シグマ」プラットフォームを大幅に進化させたものだ。その走りの洗練度やスポーティさは少なくとも試乗した「3.6」の場合、欧州製スポーツセダンや日本製の高級車を、状況によっては上回るとさえ思えるもの。それでいてキャデラックならではの鷹揚さや重厚感も兼ね備えている。特に舗装の荒れたワインディングをハイペースで走った時に得られる磐石の安定感は、ニュルブルクリンクでの成果をうかがわせるものだ。ちなみに「3.6」は235/50ZR18のミシュラン・パイロット・スポーツを履く。
高速域でのパワー感も印象的で、操縦安定性や静粛性のレベルも極めて高い。それは従来のアメリカ車の概念をくつがえす水準にあり、もはや掛け値なしに世界のトップレベルに立ったと言える。過去のキャデラックしか知らない人が乗れば、間違いなくその性能に驚くだろう。