【清水和夫のサステナブル・リポート】ダイハツ 新パワートレーン その2…開発人対談 相坂忠史 上級執行役員 軽開発センター長

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【清水和夫のサステナブル・リポート】ダイハツ 新パワートレーン その2…開発人対談 相坂忠史 上級執行役員 軽開発センター長
【清水和夫のサステナブル・リポート】ダイハツ 新パワートレーン その2…開発人対談 相坂忠史 上級執行役員 軽開発センター長 全 8 枚 拡大写真

クルマとしての効率アップを追求していくこと
軽量化を推進していくことが課せられた使命

清水:カメのようにゆっくり走って燃料消費を抑えましょう、それが環境に優しいみたいな風潮がありますが、それでは意味がないと思うんですよ。本来は、どういう仕事をしたかの等価エネルギーとして見なければいけない。時代遅れの省エネ発想というか、なにかを我慢しての低燃費は21世紀のエコロジーとは大きくかけ離れているように感じます。

相坂:たしかに、仕事量に対する燃料消費量(最小燃費率=kW/h)ではなく、単に何リットル使ったか? だけが注目されますからね。繰り返しになりますが、アクセルを踏み込むことこそが、必ずしもアンチエコではありません。もっとも、効率を突き詰めて行くとエンジン本体の手当が必要になってコストがかかります。また、実用域での燃費を重視されるユーザーの方が大半なので、まずは、そこでの燃費をよくしようと考えています。

清水:ハードウエアではトランスミッションも燃費性能において、今後の重要なカギを握ると思いますが、いかがでしょう?

相坂:軽自動車のAT比率が大幅に増したここ数年の流れを受けて、ダイハツの軽自動車では2006年登場のソニカ以降、トルコンATより効率よくエンジン出力を伝え、燃費面でのメリットの大きなCVTを採用。スムースな加速フィーリングなどでも高い評価をいただいています。

清水:アイドリングストップ付きCVT仕様のミラに試乗したときのことですが、高い完成度を感じたのを覚えています。ただ、効率を求めていくと、いずれ、ツインクラッチタイプのトランスミッションの投入もあり得るのではないかと……。

相坂:もちろん、新しいトランスミッションの可能性も模索していますが、CVTも決してゴールではない。エンジン同様、さらに効率アップを図って、お客様に大きな満足を感じていただくことが、現時点の重要な課題だと考えています。

さらにいえば、軽量化ですね。従来、高い衝突安全性を達成するために質量をかけてクルマを作ってきて、結果、副産物として高い質感も得ることができました。しかし、2015年にはより厳しい燃費規制がスタートします。燃費性能にも影響する車重アップはあってはならないこと。もう一度、基本に立ち返って、同等の衝突安全性能を軽いボディで乗り越えて行かないといけない。これも我々に課せられた使命だと考えています。

■開発人プロフィール

相坂忠史  あいさか ただふみ
ダイハツ工業 上級執行役員 軽開発センター長 商品開発本部付

1974年入社。入社以来20年にわたり実験部門に籍を置き、車両の運動性能の開発実験を中心に担当。94年製品企画部に配属になり、小型車開発を担当。97年ストーリア、YRVなどの開発責任者になる。2002年コペンの開発責任者を経て、2005年取締役製品企画部副部長に就任。2006年第一開発・グローバル車両企画ブロックの執行役員に、2008年6月より現職。

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《清水和夫》

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