マツダ『ビアンテ』の最上級モデルには2.3リットルの直4エンジンを搭載した「23S」が設定されている。23Sは排気量の余裕が増すだけではなく、5速ATにはステアリングシフトスイッチが設けられ、タイヤサイズも2リットルよりワンサイズ大きな17インチを履いている。
ビアンテの開発責任者を担当した清地秀哲さんは「ビアンテにも『プレマシー』同様に力強くレスポンスに優れた2.3リットル車を用意しました。販売比率は低いと思いますが、ビアンテのスタイリングに似合う、ワクワクするようなパワーフィールを発揮してくれます」とコメント。
実際に、23Sは豊かなトルクがあり、アクセルを深く踏み込んだ領域ではビアンテのスポーティなスタイリングにマッチした力強い走りを披露する。
ATのシフトレバーをマニュアルモードに切り替えると、ステアリングから手を離さなくても、ステアリングシフトスイッチにより5速ATの変速を行うことができ、スポーティに走らせたいときには役に立つアイテムといえる。
ハンドリングは、乗り心地では16インチを履く2リットルのほうがバランスが取れているが、17インチタイヤを履く23Sは幾分スポーティなフィーリングに仕上がっている。
ライバル車種の『ノア』や『セレナ』には、2リットルモデルしかないので、ビアンテの2.3リットルはアドバンテージになりそうだ。
ただし、2リットルの直噴エンジンとの比較では、実用域では2.3リットル車とのトルク感の差はあまり大きくは感じられない。使用燃料も2リットルはレギュラー仕様、2.3リットルはハイオク仕様となる。
欲をいえば『アテンザ』に採用されている2.5リットルを搭載したほうが、もっと上級モデルとしてのメリハリが出せただろう。