ポルシェAGは、『カイエン』シリーズに、新開発の特別仕様車「カイエンSトランスシベリア」を加え、2009年初めから販売すると発表した。
トランスシベリアは、モスクワからモンゴルの首都ウランバートルまで約7200kmを走破する大陸横断ラリーのこと。ポルシェは2006年に初参戦した「カイエンS」が優勝、2007年には専用のラリーカーで参戦、プロダクションカーをベースにしたカイエンSが1−2−3フィニッシュを達成、2008年も3度目の総合優勝を果たした。
こうした実績をベースにポルシェは、パリモーターショーでカイエンSトランスシベリアを発表する。公道を走行できるこのモデルは4.8リットル自然吸気V8エンジン搭載のカイエンSがベースで、カイエンGTSと同等の高出力を発揮する。最高出力は405PS/6500rpm、最大トルク500Nm/3500rpm。
最終減速比もカイエンSの設定を15%ローギアード化して、カイエンGTSと同じ4.1:1とする。最高速度はGTSと同じ253km/hに達する。カイエンSトランスシベリアにはティプトロニックS仕様車も設定する。
また、このモデルにはラリー競技車両に倣ったデザインが取り入れられ、4種類のカラーバリエーションを設定する。
また、路面状況やドライビングスタイルに基づいて各ダンパーの減衰力を無段階にアクティブ調節する電子制御ダンパーシステムであるポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム(PASM)を標準装備する。
このモデルには、最低地上高を一定に維持するセルフレベリング機能と最低地上高を必要に応じて調整するライドハイトコントロール機能が備わっている。
さらに、フルタイム4WDシステムの中核を成すポルシェ・トラクション・マネージメントシステム(PTM)は走行状況に応じて前後のアクスルへのトルク配分をアクティブに行う。このシステムは定常走行ではリアに62%、フロントに38%の比率でトルクを配分するが、ドライビングスタイルに応じてこの配分を自動的に変化させる。標準装備のリダクションギアが作動すると、オフロードモードではABSとオートマチック・ブレーキ・ディファレンシャル(ABD)が自動的に作動し、最低地上高が調整される。
カイエンSトランスシベリアの日本国内における価格および導入時期は後日発表するとしている。