【池原照雄の単眼複眼】ハイブリッドを強化する日野の狙い

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【池原照雄の単眼複眼】ハイブリッドを強化する日野の狙い
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初代プリウスと同時期に投入

トヨタグループのトラックメーカーである日野自動車が、グループの「環境技術資産」ともいえるハイブリッド車(HV)の開発強化に乗り出している。現行のHVより実用燃費、コストとも大幅な改善を狙うもので、国内だけでなく海外市場開拓の戦略商品と位置づけていく。

日野はトラック、バスともにディーゼルハイブリッドを量産している世界唯一のトラックメーカーだ。バスはトヨタの初代『プリウス』と同じ1997年に発売、現在は大型の路線および観光用を販売している。

トラックはトヨタとの共同開発により2003年に小型の『デュトロハイブリッド』、06年には中型の『レンジャーハイブリッド』を投入した。いずれも、ディーゼルエンジンとモーターを並列的に駆動力に使う独自の「パラレル式」を採用している。

◆目標は燃費5割向上、コスト半減

今年8月までの累計販売は、『デュトロハイブリッド』の約4300台を中心にバスを合わせて約5400台と、着実に実績をあげている。ただ、乗用車のHV同様に価格が高いなどの課題もある。

トヨタの開発部門出身で、今年6月に就任した白井芳夫社長は「燃費性能も改良の余地は大きい」と指摘する。トラックHVの場合、ドライバーが理想的な運転をした場合で、ディーゼル車より2割程度燃費が良くなるものの、まだ引き上げられるというわけだ。

一方で小型のデュトロクラスで価格差は約100万円あるため、勢い運送会社などのユーザーも導入に慎重になる。白井社長は燃費でディーゼル車より5割向上、システムのコスト半減を開発目標として指示したという。

◆独自技術で海外に切り込む

このレベルに達すれば、トラックやバスの走行距離は長いため、2年程度で価格差分は取り戻すことができると見ている。技術的には、現在の同社のHVは電気自動車(EV)走行ができないため、エンジン、モーター、ミッションの配置変更などを検討する。

新システムHVの投入は「なるべく早い時期」(白井社長)としており、数年内というイメージ。日野は開拓余地の大きい海外市場の販売拡大を最大の経営課題に掲げている。今月にはインドでの販売会社設立を発表するなど、海外事業展開を加速させている。

HVは、北米や欧州といった先進諸国での都市部物流用の車両と想定している。飛躍的な環境と燃費性能という独自性を武器に、それぞれの現地メーカーがほぼ独占する市場に切り込んでいく先兵としたい考えだ。

《池原照雄》

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