ホンダは、タイ現地法人で、四輪車を生産するホンダオートモービル(タイランド)カンパニー・リミテッド(HATC)が新型『シティ』を市場投入すると発表した。
新型シティは、コンパクトながら存在感のある力強いフォルムを追求。室内空間は、クラストップレベルの広さを実現した。エンジンは、出力・燃費・環境対応の全方位で進化した1.5リットルi-VTECエンジンを搭載する。
先進の安全・環境性能も備え、サブコンパクトセダンの新たなベンチマークを目指している。
シティは、経済発展とともに高まる、アジアの顧客ニーズに対応するため、1996年に初代モデルを投入。現在、地域を超えて世界7か国で生産、39か国で販売されている。世界での累計販売台数は、2008年5月末に100万台を突破し、『シビック』、『アコード』、『CR-V』、『フィット』に次ぐ基幹機種となっている。
3代目となる新型は、タイで販売を開始し、順次各国でも切り替えていく。特に成長市場でのニーズに対応し、販売地域の拡大も視野に入れている。
また、生産面では、今回、新たな取り組みとして、アセアン諸国に加えインドや中国などでの新型シティ生産開始を、HATCが支援していく体制を確立した。
タイの四輪生産会社は、近隣諸国の拠点に対して技術支援を行うなど、域内全体のレベルアップのため主導権を発揮してきた。また、各拠点のスムーズな新機種立ち上げや生産品質の向上、部品の現地調達拡大に向けて、地域の生産・購買戦略立案を行う機能も日本からタイに移管し、市場の動向に迅速に対応するとともに、地域の自立化を推進している。
さらに、現地の研究開発機能や生産技術(設備・金型)機能と強く連携することで、マザー工場としての機能を進化させている。
新型シティでは、現地調達率は旧型が83%だったのに対して93%にまで上がっている。
HATCは、今年10月後半に第2工場の稼働を開始し、生産能力を24万台にまで拡大する。今後、輸出や海外生産拠点への技術支援もさらに拡大し、世界におけるアジアの競争力を高めていく。