スクーデリア・トーロロッソのセバスチャン・ベッテルが初ポールポジション獲得、そして21歳と73日という史上最年少優勝記録でイタリアGPを制した。豪雨に見舞われた今年のイタリアGPは、決勝も予選の波乱を引き継いだような展開となった。
激しい雨に翻弄された大番狂わせの予選翌日、決勝レースも雨だった。レースはセーフティーカースタートが宣言され、全車がエクストリームウェットタイヤを装着してのスタートとなった。前車が巻き上げる水煙の影響を受けないベッテルは、序盤から好調なペースで後続を引き離していく。
その一方で、予選で15位に沈んだマクラーレンのルイス・ハミルトンは1ストップ作戦を選択してレース中盤には2位まで順位を上げ、トップのベッテルを追いかける。
しかしレースが終盤に差し掛かるころ、路面は浅溝のスタンダードウェットに適しはじめ、2ストップ作戦をとったチームはタイミング良く給油と同時にタイヤをチェンジ。ベッテルもスタンダードウェットに履き替え、トップを死守した。ハミルトンも37周目にたまらずスタンダードウェットに履き替えるためだけにピットストップを余儀なくされる。
結果、トーロロッソのベッテルが初優勝。2位にはマクラーレンのコバライネン。3位には1ストップ作戦で粘ったBMWザウバーのロバート・クビサが入った。
4位フェルナンド・アロンソ(ルノー)、5位ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー)。チャンピオン争い中のフェリペ・マッサ(フェラーリ)は6位、ハミルトンは7位で両者の差わずか1ポイントに縮まった。キミ・ライコネン(フェラーリ)は今回も全くいいところがなく、ノーポイントの9位に終わっている。
トヨタ勢はティモ・グロック11位、ヤルノ・トゥルーリ13位。ホンダ勢はジェンソン・バトン15位、ルーベンス・バリケロ17位と下位に沈んだ。ウィリアムズの中嶋一貴は1ストップ作戦で12位で完走。
大波乱のレースながら、リタイアはフォース・インディアのジャンカルロ・フィジケラだけというのも珍しい結果だった。