オーストリアの極右政党『未来同盟(BZOE)』の党首で、ケルンテン州知事のイェルク・ハイダー氏が現地時間11日、交通事故のため死亡した。58歳だった。
ハイダー氏は1950年生まれ。ヒトラーの第三帝国を賞賛する発言で物議を醸したが2000年に連立内閣入りした。そのため、オーストリアがEUに制裁措置を課されるきっかけとなった。
ハイダー氏は11日未明、黒のフォルクスワーゲン・フェートンを運転し、自らが州知事を務めるケルンテン州の州都クラーゲンフルト近郊を走行中、突然車線を外れ路肩に落ちた。他に巻き込まれた車両はいなかった。
救急隊が駆けつけたが、ハイダー氏は頭部などを強打しており死亡が確認された。車は現場の制限速度を大幅に上回る約140km/hを出していたとみられる。
オーストリアでは9月28日に総選挙の投票が行なわれた。それを前に、オートリア各地の幹線道路やアウトバーンのサービスエリアには、8月からハイダー氏の巨大看板が掲げられていた。選挙の結果、ハイダー氏が党首を務めるBZOEは躍進し、議席数で第4党となった。その勝利から僅か2週間後の悲劇だった。