【池原照雄の単眼複眼】カイゼン力見せた富士スピードウェイ…日本GP

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
【池原照雄の単眼複眼】カイゼン力見せた富士スピードウェイ…日本GP
【池原照雄の単眼複眼】カイゼン力見せた富士スピードウェイ…日本GP 全 4 枚 拡大写真

昨年の大失態が嘘のように

12日のF1日本グランプリは、ハミルトンとマッサの年間チャンピオン争いや中嶋一貴の走りに注目が集まったが、筆者のもうひとつの関心は富士スピードウェイ(FSW)の運営ぶりだった。現時点ではその全貌は分からず、あくまでも1観客の感想だが、訴訟まで発展した昨年の大失態が嘘のように快適な観戦ができた。

F1開催時にはバス駐車場となるFSW内の交通安全センター「モビリタ」に到着したのは、午前9時半を少しまわったところだった。予定時間より1時間近く早く、FSW敷地内に入ってからも、ほぼノンストップで駐車場まで着いた。

昨年の場合、問題はここからだった。駐車場からメーンスタンドなど観客席に行くための通路で、人の大渋滞が発生していたのだ。しかも昨年は雨天だったこともあり、未舗装の渋滞付近はひどくぬかるんだ。

◆最大の渋滞箇所はETC状態に

通路は車道と並行しており、業務用の車両が頻繁に通るため、渋滞は益々ひどくなった。メインスタンドまで、通常は徒歩で20分もあれば到着するのだが1時間余りもかかった。雨で濡れそぼって、身体は冷え切った。

今年は駐車場からのルートをショートカットし、ざっと300mくらい短縮するとともに、業務用車両の通行は遮断していたようだった。昨年、会場内で最大のネックとなったこの通路は、まるでETCの料金ゲートを通るようにスムーズだった(帰途も同様だった)。

チェッカー後、早々にバスが出たこともあり、これもノンストップ状態でFSWを後にした。昨年は誘導者の不手際で、道路は空いているのに、30分以上も足止めを食った。

◆日本チームのトップ争いを見たい

観戦エリアの案内員も昨年と比べものにならないほど訓練されており、たとえばトイレ渋滞で通路が塞がれることのないよう、完璧な誘導をこなしていた。トヨタ自動車のカイゼン力は至るところで発揮されたという印象だ。

観客のキャパシティを14万人から11万人に減らしたのに、チケット販売では苦戦したと聞いている。持ち出しが多く、興行的には大変だったと思う。だが、モータースポーツファンのFSW離れをギリギリのところで食い止めたのではなかろうか。

肝心のレースは、チャンピオン争いの2人が序盤で大きく順位を落としたこともあって、トヨタのヤルノ・トゥルーリの健闘が唯一の見せ場だった。F1がFSWに戻るのは2年後となる。業績悪化によってF1から撤退する自動車メーカーが出そうだが、2年後にはトヨタとホンダでトップ争いを演じていて欲しいものだ。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  2. ホンダ『プレリュード』新型、ホームページで先行公開…発売は9月
  3. 約10万円で200km以上走るEVバイク登場に「現実的な選択肢」、ベトナムから日本上陸に期待の声
  4. スバル『フォレスター』に早くも「理想の姿」と話題の特別仕様、「最初から出してよ!」の声も
  5. ホンダ『N-ONE e:』の価格を予想、280万円台からか…実質ガソリンモデル並み?
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る