【COTY 選考コメント】完成度がいまいちでも…松任谷正隆

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【COTY 選考コメント】完成度がいまいちでも…松任谷正隆
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僕は選考委員を16年ほどやらせていただいているが、選考の一番大事なポイントはその時代における「意義深さ」においている。たとえ完成度がいまいちでも、今はこの方向を向いていることが大事、と思えるクルマを推したい。そういう意味でも今年は簡単に『iQ』に決まった。

今年は軽自動車たちがまたしても進歩を見せ、パッケージングはもちろんのこと、乗り心地も、もしかしたらiQよりもいいかもしれない。けれど、乗り比べてしまうと、どんなに進化したとはいえ、大人と子供の骨格の差を感じてしまうのも事実で、高速化している路上での安全を考えると、多少狭くても大人の骨格が欲しいと思う。

日産『GT-R』は日本の誇れる車であると思うが、果たして“今”なのか、と言われれば、10点は入れにくかった。ただ、デビュー当初より確実に進化しており、ここらへんにも今までにはない、日本のクルマの新しい形を感じることは出来る。

地味ながら、マツダ『アテンザ』もいい車だった。非常に玄人受けするクルマであると思う。そういう意味では、惜しくもインポート・カーオブザイヤーを逃しはしたものの、アウディ『A4』も同じだ。シトロエン『C5』と比べて、エンターテイメント性に乏しいところが今回敗れた原因であると思われるが、「意義深さ」に於いては、先代モデルから大幅にバランスを近代化させたアウディにより多くの点を入れさせてもらった。

振り返ってiQだが、アイドリング中の振動、ちょっとだけ子供っぽいインテリア以外は本当に評価できる。アイドリングはきっとすぐに対策がなされるだろうし、インテリアは趣味の問題だからどうでもいいとして、素晴らしいクルマが出てきたものである。乗っていて誇らしい気持になれる。

松任谷正隆|音楽プロデューサー、JAJ会員
1951年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。20歳頃からプロとしてスタジオプレイヤー活動を開始し、73年細野晴臣、鈴木茂らとグループ「キャラメル・ママ」を結成。解散後、「ティン・パン・アレー」を経て数多くのセッションに参加。松任谷由実をはじめ、松田聖子、吉田拓郎、ゆず、など多くのアーティストの編曲、プロデュースを手がけている。1986年より「カーグラフィックTV」のキャスターを務め、音楽とともにモータージャーナリストの道も歩み始める。著書に『職権乱用』『マンタの天ぷら』『僕の散財日記』など。

《松任谷正隆》

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