イタリアのカロッツェリア、「スタジオトリノ」はメルセデスベンツ『SL』をベースにした『クーペトリノ』を公開した。「ワールドデザインキャピタル2008」に出品するために製作した4分の1のスケールモデルだ。
スタジオトリノはこれまで、フィアット『500』やポルシェ『ケイマン』に独自のドレスアップを施したモデルを発表。さらに、マセラティ『クアトロポルテ』をステーションワゴン化したモデルを提案するなど、その感性の高さには定評がある。
今回のクーペトリノは「イタリアンテイスト漂うエクスクルーシブクーペ」をコンセプトに開発。メルセデスSLの特徴である「バリオルーフ」は、固定ルーフに変更された。
圧巻はリアスタイル。太いCピラーはベースのSLとはまったく異なるデザインで、美しいクーペフォルムを実現している。さらに、ルーフ後端を垂直に切り落とし、フェラーリのミッドシップモデルを思わせるような処理を施している点も注目できる。アルミ製燃料キャップやセンターマフラーも個性を主張するアイテムだ。
ダイムラーもSLに固定ルーフ仕様、「SL65AMGブラックシリーズ」を設定しているが、プライスは4880万円と最大出力670ps、最高速度320km/hに見合った高価格。クーペトリノなら、低コストでSLをクーペに変身させられるかもしれない。
メルセデスベンツは1970 - 80年代にかけて、3代目SL(R107型)にクーペ版の『SLC』を用意していた。SLCの復刻版にも見えるクーペトリノだが、スタジオトリノがメルセデスベンツのデザインセンターに、プレゼンを行ったとの情報もある。クーペトリノの「1分の1スケール」が現実となる可能性が出てきた。