【2008年の10大ニュース座談会】金融危機関連が上位独占

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【2008年の10大ニュース座談会】金融危機関連が上位独占
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07年の新車が売れないは日本限定、08年は世界規模

三浦---これらから10本選ばれても文句はないですか? さて絞っていくのに経済問題をどうするか。バラバラにしたらこの分野だけで10大ニュースになっちゃうよ。金融危機とまとめたら1本になっちゃうし。

池原---金融危機を形容詞みたいに頭に付けたら新車需要急落の1本でしょう。

北島---07年も「新車が売れない」がニュースでしたが日本国内の話。世界レベルではアクセル踏みっぱなしの増産計画。そこへきて金融危機後は08年は世界のどこでも車が売れない、会社が危ない。雇用が守れない。

三浦---そう。確実に1本に分けられるニュースは非正規従業員の大量解雇。

池原---04年に、製造現場を派遣に許可したのが元凶ですね。経済の成長過程ではうまく行くんですけどね。雇用形態のバラエティ、好きな時だけ働く、という人もいなくはないでしょうけど。それに就職氷河期で、働きたくてもこういう形でしか就職できなかった人もいる。派遣は、昔の職種制限に戻すべきですよ。

三浦---では金融危機関連の大ネタをピックアップして整理しましょう。ビッグ3支援は外せない。話題としてはホンダF1撤退も大きかった。象徴的だった。

池原---金融危機はこの4本ですね。ほかの話題を検証していきましょう。保有台数減は入ります。

北島---ハミルトンF1チャンピオンはトップ10からは落ちると思います。F1は、今年はホンダの撤退で全てでしょう。ホンダ撤退がなければアグリ撤退が入ったはずですし。今年のリストだとF1で2本はあり得ませんね。

三浦---iQはトップ10に入れてもいいと思うのですが。

高木---えー、入るのですか? トヨタの規模だから開発コストが採算ベースに乗ったようなところもありますし、小さな高級車という思想も新しくはないですし。

三浦---それらもひっくるめて、ダウンサイジングが今年で次の段階に入ったことを象徴してもらいたい。違った意味でタタ「ナノ」ショックは入る。物はまだないんだけどね。ランドローバーとジャガーの売却は今となっては単独でトップ10入りは難しい。

高木---洞爺湖サミットは歴史的な会議にはなりませんでした。よってアウト。

三浦---ひき逃げ・引きずりは入れていいんじゃない。

高木---首都高炎上は全国規模で影響があったわけではない。で、話を大きく広げて、地球温暖化の影響か、ゲリラ豪雨。今年は特にひどかったんだけど、去年、その前から言われていることだから保留かな。

三浦---池原さん、今度の金融危機というか、経済危機を流れを追って説明してくださいますか。

池原---07年の暮れぐらいからサブプライム問題が表面化して、住宅バブルがはじけたことで住宅を担保にした自動車購入ができず、アメリカの新車需要はじわじわ落ちてきていた。同時にガソリン高騰で、トラックの売り上げが落ちてきた。

三浦---リーマンショックというけれど、リーマンが破綻して状況が悪化したというのではないのですね。金融業界の状況が悪化して、いくつか政府によって救済された企業があるんだけれども、リーマンは救済されなかったんですね。ではリーマンが救済された場合、現状に差があったのでしょうか。

池原---結果は同じでしょう。自動車でいうとビッグ3は07年以前から経営危機だったのが、金融バブルによる新車需要によって生きながらえてきた。ところがバブルがはじけて新車需要が落ち、金融危機による資金調達困難がとどめを刺した。それで今、政府からお金を借りたいと、懇願しているわけです。

三浦---世界中で新車の需要が落ちてしまった。

池原---だから「金融危機」を頭に付けるのです。日本でも株価の低迷により消費マインドが落ちてきている。中国、ロシア、インド、ブラジル……、3割、4割伸びていたのがゼロどころかマイナスにいっちゃったんだから。

■強すぎる印象の今年後半
■34のニュースをピックアップ
■07年の新車が売れないは日本限定、08年は世界規模
■激安カーナビが売れた
■最終順位と見出し確定

《文責:高木啓》

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