AF-KLMによるアリタリア株取得で登場した「棺桶」

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AF-KLMによるアリタリア株取得で登場した「棺桶」
AF-KLMによるアリタリア株取得で登場した「棺桶」 全 2 枚 拡大写真

経営再建中の伊アリタリア航空は12日、エールフランス-KLMグループ(AF-KLM)との間で、同グループが資本参加することで合意したと発表した。アリタリア再建のために設立された持ち株会社CAIが発表したもの。

AF-KLMはアリタリア株の25%を3億2200万ユーロ( 約386億4000万円)で引き受ける。同時にアリタリアはAF-KLMから3名の役員を受け入れる。

イタリア連立与党内の一部政党には、最後まで独ルフトハンザ航空を推す動きもあったが、最終的にAF-KLMがパートナーとなった。アリタリアとしては2007年末の提携交渉で人員削減計画などの折り合いがつかず一旦決裂したAF-KLMであるが、今回の“復縁”によって過去10年以上続いた経営再建問題は一段落するとみられる。

 ただし、CAIのコラニンノ会長は同時に、ミラノ・マルペンサ空港を新生アリタリア航空の戦略的拠点に位置づけると発表した。これは、2008年3月にアリタリア旧経営陣がハブ空港をミラノからローマ・フィウミチーノ空港に移転後、1年たたないうちに新方針が打ち出されたことになる。
 
そのため、ローマで減便などが実施されれば、職を失う空港関係者から強い反対が起こるものと予想される。実際昨年ミラノでは、同様に地元州をも巻き込んだローマへのハブ移転反対運動が起きた。

またアリタリアは1946年に国営航空会社として設立以来、初の本格的外資導入となる。そのため国内の有識者の間では、経営・社風両面で「いかにアリタリアがイタリアニタItalianita'=イタリアらしさを維持してゆくか」といった議論が浮上していている。

また「アリタリアは死んだ」と書かれた棺桶を担ぐパフォーマンスが、一部関係者によって早くも発表当日に繰り広げられた。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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