20日に開幕した「ベンチャーフェア Japan 2009」には、中小企業が開発したさまざまな商品が展示されているが、そんな中にF1マシンに搭載された電池をPRしている企業があった。
イブリダセルという会社がそれで、電池は「BMバッテリー」だ。F1の他にも、オートバイの世界最高峰レース、MotoGPでも多くのチームが採用しているという。
「レース業界向けに、独自技術を用いて大幅に軽量化をしたものなんです」と同社の青木護社長は説明する。その特徴は、従来のレース用鉛バッテリーと比較して50%以上の軽量化、鉛フリー、車載用鉛バッテリーとの互換性の確保である。レース用の鉛バッテリーとそのまま交換ができるのだ。もちろん鉛バッテリーと同様に車両からの充電も可能である。
同社はパナソニックのベンチャー支援制度を活用した会社で、2007年10月にパナソニックエナジー社から分離独立した。青木社長がパナソニックの大坪文雄社長に「会社をつくって事業をやらせてほしい」と手を挙げて認められた。資本金は3000万円で、パナソニックが83.3%、青木社長が16.7%出資。現在、2人で会社を切り盛りしている。
「今後は市販化されているオートバイにも搭載されるようにしていきたい。2010年代の半ばごろには、ある程度の販売ができればと思う」と、力強い口調で今後の抱負を述べた。