フェラーリは27日、3月3日に開幕するジュネーブモーターショーで2モデルを世界初公開すると発表した。『599GTBフィオラノ』の「HGTEパッケージ」、『599XX』の2台である。
599GTBフィオラノ(日本名:『599』)は2006年3月のジュネーブモーターショーでデビュー。6.0リットルV12(620ps、62kgm)をフロントに積むフェラーリのフラッグシップで、0‐100km/h加速3.7秒、最高速330km/hとフェラーリの頂点にふさわしい性能を誇る。
HGTEパッケージでは、599のスーパーな性能にいっそうの磨きがかけられる。HGTEとは、ハンドリングGTエボルツィオーネの略だ。
フェラーリはその内容について、ボディカラーが3層メタリック塗装の赤を用意する以外、明らかにしていない。しかし、写真を見れば、アルミホイールが専用デザインとなり、ブレーキも強化されているのが見て取れる。
もう1台の599XXは、フェラーリF1の最先端技術が注入されたレース専用車。フェラーリは2005年12月、『エンツォ』をベースにしたレース専用車、『FXX』を29台限定生産。このFXXにはF1マシンと同様のテレメトリーシステムが搭載され、サーキット走行中の細かいデータを収集。そのデータが、フェラーリの今後の新型車に反映されるという、新車開発プログラムの一端を担っていた。
フェラーリは599XXについて、「選ばれた顧客が参加できる技術工房的なものになる」と語っており、FXXと同様の新車開発プログラムになると見ていいだろう。
FXXの価格が、メンテナンス料や各サーキットへの輸送費込みで150万ユーロ(約2億円)だったことを考えると、599XXのオーナーには、運転技術はもちろん、豊富な資金力も要求されることになる。