【ジュネーブモーターショー09】ジウジアーロ、MAX300km/hのハイブリッドスポーツ提案

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【ジュネーブモーターショー09】ジウジアーロ、MAX300km/hのハイブリッドスポーツ提案
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ジョルジェット・ジウジアーロ氏が率いるイタルデザインとFrazer-Nash社は、ジュネーブモーターショーで『Namir』を発表した。0-100km/h加速3.5秒、最高速300km/h超、燃費39km/リットルというハイブリッドスポーツのコンセプトカーだ。

Frazer-Nash社は1923年、英国に設立。数々の名車を送り出してきた伝統のメーカーだが、第2次世界大戦後の1950年代、自動車の生産を中止。現在はハイブリッドシステムの開発などを手がけるエンジニアリング企業として活動している。Namirは同社とイタルデザインのコラボレーションによって生まれたモデルだ。

Namirの開発にあたっては、イタルデザインがシャシーやボディを手がけ、Frazer-Nash社がパワートレーンを担当。Namirとはアラビア語で「タイガー」を意味するが、その名の通り、驚異的なパフォーマンスを実現している。

ハイブリッドシステムはシボレー『ボルト』などと同じシリーズ方式で、エンジンは充電専用、基本はモーターのみで走行するEVだ。フロントに2、リアに2の合計4個のモーターは、トータル出力370psを誇る。2次電池は定格電圧400Vのリチウムイオンバッテリーで、バッテリー残量が少なくなると、リアに置かれた充電専用の814ccロータリーエンジンが始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーの充電を行う。

シャシーはイタルデザインが設計したカーボンファイバーモノコック。ボディは軽量なアルミやカーボン製で車重は1450kgに仕上げられた。サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーン、ブレーキはブレンボ、タイヤサイズは前245/40ZR20、後ろ275/40ZR20。前後2個ずつのモーターが発生する強力なパワーは電気式トランスミッションを介して4輪へ伝達され、0-100km/h加速3.5秒、最高速300km/hオーバーというスーパーカーの領域へ足を踏み入れる。

ハイブリッドならではの環境性能は驚きのレベル。燃費は39km/リットル、CO2排出量は60g/kmを達成。「世界最速で最もエコなハイブリッド」との説明も納得できる。ガソリンタンクの容量は50リットルなので、計算上は約2000kmを無給油で走行できることになる。

イタルデザインがてがけたボディは、ガルウイングドアなどがアグレッシブなムード。明るいオレンジのボディカラーに、ブラックのグリルやウィンドウを組み合わせて、虎をイメージしたという。ボディサイズは全長4560×全幅1972×全高1186mm、ホイールベース2630mmだ。

2シーターの室内はレザーとツイードを多用して、英国トラディションを表現。シートはサベルトと共同開発したバケットタイプが用意される。インパネには3つのモニターが装着され、中央がスピード/タコメーターやドライブデータ、右側がナビゲーションやエンターテインメント、左側がバッテリー残量計や燃料計。トランクは400リットル(VDA計測法)の容量で、スーツケース4個が積載できる。

ジウジアーロ氏は「自動車の歴史を作ったFrazer-Nash社と仕事ができて光栄」と、今回のコラボレーションを振り返る。刺激的なスポーツ性能を時代の要請する環境性能とともに実現したNamir。今年のジュネーブのベストコンセプトカーとの呼び声も高い。

《森脇稔》

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