ヒュンダイは9日、ニューヨークモーターショーで『Nuvis』(ヌービス)発表した。同社の次世代SUVを示唆するコンセプトカーで、巨大なガルウイングドアや環境性能に優れるハイブリッドシステムが特徴だ。
Nuvisを手がけたのはヒュンダイの米国カリフォルニアデザインセンター。11番目に製作されたコンセプトカーを意味する「HCD-11」のサブネームが与えられる。
外観を特徴づけるのが巨大なガルウイングドア。ヒュンダイは「乗員があたかも車の一部であるような、生きているマシンが目標」とそのデザインの狙いを説明する。激しい水流をイメージしたというボディは躍動感たっぷり。足元は22インチサイズのタイヤ&アルミホイールで引き締めている。ボディサイズは全長4783×全幅1971×全高1659mmだ。
インテリアはブルーのメーター回りやセンターコンソールが斬新。凹凸のあるスイッチ類を廃して、スマートなインパネを実現する。「タッチセンス」と呼ばれる新技術が、乗員のコミュニケーションをサポート。独立4シーターのシートは航空機のビジネスクラス並みの快適性を備え、素材にはPETボトルからのリサイクル生地が使用される。
パワートレーンは、ヒュンダイが2008年11月のロサンゼルスモーターショーで初公開した「ハイブリッドブルードライブ」を搭載。2.4リットル直4ガソリンに、モーター(41ps、20.9kgm)を組み合わせたパラレルハイブリッドで、トータル出力は228psに達する。
2次電池は270V、5.3Ahのリチウムポリマーバッテリーで、トランクにレイアウト。4-6速を専用レシオとした6速AT、アイドリングストップ機能、回生ブレーキ、EV走行モードなどを備え、米国EPA(環境保護局)燃費(予測値)は、市街地14.5km/リットル、高速14.9km/リットルと高水準をマークする。
ヒュンダイは2015年までに米国で燃費性能ナンバーワンブランドになる目標を掲げる。ハイブリッドブルードライブは、その目標達成の核に位置づけられ、2010年に米国へ投入される次期『ソナタ』のハイブリッド仕様に、このシステムを搭載する方針だ。
Nuvisについても、コンセプトカーではあるが、フロントマスクなどには次期『ツーソン』のエッセンスが取り入れられているという。米国を中心に勢いを増しているヒュンダイにとって、Nuvisは重要なコンセプトカーといえる。