米国からプラグインハイブリッド商用バン…燃費は42.5km/リットル

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米国からプラグインハイブリッド商用バン…燃費は42.5km/リットル
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米国のブライトオートモビル社は21日、『IDEA』の概要を明らかにした。モーターと充電専用のエンジンを搭載するプラグインハイブリッドの商用バンで、徹底した軽量化とエアロダイナミクスの追求により、100MPG(約42.5km/リットル)の低燃費を実現している。

インディアナ州に本社を置くブライトオートモビル社は、もともとはバッテリーを手がけるメーカー。GM初のEVとして1996年にデビューした『EV1』のバッテリー開発に参画したほか、クライスラー、デルファイ、ジョンソンコントロールなど大手メーカーとも共同事業を行っている。

IDEAは米国の企業や官公庁への需要を狙って開発された、最大積載量1トンクラスのLCV(ライトコマーシャルビークル)。1回の充電で最大48km走行できるモーターを搭載し、バッテリー残量が少なくなると、充電専用のエンジンが始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーのチャージを行う。2次電池やモーター、エンジンの詳細は公表されていない。

驚くのはその燃費性能。100MPG(約42.5km/リットル)という圧倒的な燃費性能を誇る。ブライト社は「競合車よりも5から10倍、燃費がいい」と胸を張る。

優れた燃費性能は、先進のパワーユニットと同時に、軽量化とエアロダイナミクス追求によって達成された。ボディはアルミなどの素材が使用され、車重は約1450kgに抑える。ブライト社によると、同クラスの平均と比較して約700kgも軽いという。

また、ボディは空気抵抗を減らしたデザイン。サイドパネルやリアフェンダーの形状に、エアロダイナミクス研究の成果が見て取れる。空気抵抗係数を示すCd値は0.30という異例の低さ。タイヤも低転がり抵抗タイプが装着された。

室内は運転席と助手席のみのシンプルな空間。助手席がテーブルに変身するアイデアはブライト社の特許だ。シフトはインパネにレイアウト。荷室容量は約5112リットルを確保した。開発には大手運送会社など約50社の意見が反映されているという。

燃費のいいIDEAは、それだけ車両を導入した企業のコスト削減に直結する。ブライト社の試算によると、年間のガソリン消費は競合車と比較して1500ガロン(約5678リットル)少なく済むという。ガソリン代に換算すると、年間1000ドル(約9万8000円)のコストを削減。CO2排出量も年間で最大16トン減らせるという。

これはあくまで1台当たりの数字。企業や官公庁は数十台まとめて導入するケースが多い。ブライト社によると、100の企業がそれぞれ1000台のIDEAを購入したとすると、年間のガソリンコストは1社当たり平均で300万ドル(約2億9400万円)低減できるという。スケールメリットは大きい。

IDEAの生産は2012年末までにスタート。2013年初頭には市場に投入され、年産5万台を見込む。IDEA生産に関連して約5000人の新規雇用も創出される。

IDEAは価格次第では、普及する可能性を秘めている。米国政府の低公害車に対する最大7500ドル(約73万円)の補助金支給も追い風になりそうだ。

ブライト社はIDEAのデモンストレーションを首都ワシントンで行い、政府や企業にアピール。100MPGという圧倒的燃費性能を備えたIDEAが、米国に物流革命を起こすかもしれない。

《森脇稔》

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