“ビジネス・エグゼクティブ・ホテル”の登場…庭のホテル東京

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“ビジネス・エグゼクティブ・ホテル”の登場…庭のホテル東京
“ビジネス・エグゼクティブ・ホテル”の登場…庭のホテル東京 全 8 枚 拡大写真

東京のホテル事情は、ここ数年続いた外資系ホテルの開業が一段落し、今度は低料金を売り物にしてきた宿泊特化型のビジネスホテルのグレードアップが進む。ビジネス客のみならず、「ツーリスト」と呼ばれる観光客や旅行者にも対応する客室の広さと設備が整う、“ビジネス・エグゼクティブ・ホテル”の開業ラッシュになりつつある。

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その一例が5月18日にJR中央・総武線と都営三田線の水道橋駅近くの千代田区三崎町に開業した、15階建てで238室の客室を構える「庭のホテル東京」(人見啓介総支配人)だ。ホテル名が施設の雰囲気を伝える理由になったのは、以前同じ場所にあった「東京グリーンホテル水道橋」のグリーン(緑)にも関係している。

さらにグリーンホテルは、約70年前に同じ場所に創業した旅館を起源をもつ。三崎町界隈は旧くから名の知れた大学や各種の学校、大手出版社などがあり、日本のトレンドを生むエリアだった。戦後は後楽園や東京ドームに代表される、“観るスポーツの水道橋”として親しまれてきた。

祖父がはじめた旅館業は2代目の父親が立ち上げたグリーンホテルに引き継がれ、そして新しいコンセプトによる庭のホテルの事業をスタートさせたのが、3代目となる木下彩(株式会社UHM代表取締役)である。「お客様が来館されてホッとしていただける空間づくりのために、館内デザインや設備への配慮と、滞在中の居心地の良さを体感していただくためのサービスの実行」という、ホテルのコンセプトづくりからスタッフの意識アップに専念してきた数年間だったと語る。

15階建てのホテル外観は、道路に面した1階部分を除き、落ち着いた雰囲気のベージュ系のカラータイルが周囲に存在感を放っている。ホテルへの入り口となるエントラント回りには、庭のホテルらしさを表現する日本庭園の石材や植材で構成。旅館の情緒を表現して、ゲストを迎え入れる趣向だ。夕方近くになると、石材や植材が浮き出るアップライトの照明効果が活きる。ロビー外観や近隣との区分となる壁回りは黒塗りの江戸風建物をイメージするなど、当時の風情や建築様式を外観デザインに上手く取り込んでいる。

横書きの看板類は「庭のホテル」ならぬ「ルテホの庭」の表示に。かっての旅館時代に通じる表示方法として、明治から戦前までの右読みをデザインしたものという。そして印象的なのが、“庭”のロゴマーク。外部のグラフィックデザイナーの手によるもので、江戸時代にあった路地の行き止まりの地理や地図を参考に、篆書体(てんしょたい)を用いて文字をアレンジしたとのこと。

大きなウインドから外光が降りそそぐロビー回りは、和紙を用いた大型の行灯を備える。昼間は障子風に。夜間はロビーの柔らかい雰囲気を醸しだしている。さらに幾重にも縞になったカラフルなフロアのカーペットは、シルクロードをイメージしたものを畳と同様な敷き方でゲストを出迎える。

3階から15階までの13フロアに配置されるのが238の客室。客室タイプは、広さ18平方mの「スタンダード」タイプ(1万8900円から)から、住宅のようなスペース感をもつ36平方mの2ベッドを備える「プレミアム」タイプ(3万6750円から)まで、4グレード5タイプがチョイスできる。

インテリアデザインは和のコンセプトの通り木目を多く用い、かつ落ち着いた色調の内装仕上げとともに、ウインド部分にはカーテンとしての障子を採用するなど、ソフトな外光を演出して和の雰囲気と洋の使い勝手がミックスした空間を実現している。窓の一部が開閉可能で、個人差の出る季節毎の室内環境やルームダストを気にせず清掃ができるので、ハウスキーパーにも喜ばれる換気装置である。

照明は発熱の少ないLED照明をベッド回りやデスクスタンドにも採用。上級タイプの客室にはバルコニー(出入りは不可)もつくなど、見晴らしの良い環境と合わせ、都心の高級マンション住まいを彷彿させそうだ。

レストランも和の「縁(YUKARI)」(30席)とグリル&バーの「流(LIEU)」(70席を用意。なかでも「流」は、コンパクトなレストランスペースながら、オープンキッチンのステーキコーナーやお客に合わせたテーブルやコーナーを設けたのが特徴。とくにカップルには落ち着いて食事を楽しめるのが嬉しい。

「お客様にとりまして東京滞在や観光、ビジネス活動などが円滑に進みますように、庭のホテル東京ならではの滞在品質とサービスが行き届くようスタッフとともに、魅力を伝えていきたいと思います」と木下社長の言葉は結ぶ。ホテル激戦区の東京都心部。大手ホテルチェーンや外資系などにはない中規模ホテルならではの、ぬくもり感のある“旅館時代のもてなし”を実践したい意向である。

《浜田拓郎》

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