【池原照雄の単眼複眼】「補助金」受付開始で夏季需要の掘り起こしを

自動車 ビジネス 企業動向
【池原照雄の単眼複眼】「補助金」受付開始で夏季需要の掘り起こしを
【池原照雄の単眼複眼】「補助金」受付開始で夏季需要の掘り起こしを 全 5 枚 拡大写真

19日から受給申請がスタート

4月に始まったエコカー(環境対応車)減免税に加え、19日からは国による補助金支給の受付がスタートする。今夏は給与所得者のボーナスが細るものの、新車購入を後押しする2つの景気対策はその穴埋め役として十分だろう。メーカーと販売会社はしっかり連携して、需要掘り起こしに全力をあげるべきだ。

補助金制度は、政府が今年度末までの措置として、景気刺激とエコカーの普及促進を狙って導入するもので、乗用車はもちろんトラック、バスも対象になる。4月10日以降に登録または届け出を行い、一定の環境性能を満たす新車の購入者に支給される。

この制度導入を決める時、政府は「買い控え」に配慮して、4月10日からの遡及適用を図った。ただ、補正予算の成立といった条件もあったため、ユーザーの認知はいまひとつだったといえる。

◆車齢13年以上の買い替えには25万円

補正予算が成立、今週19日からは申請の受付も始まることから、販売の第1線では減免税と補助金の2本建てでのアピールが本格化している。補助金は、車齢が13年以上のクルマを新車に買い換える、いわゆる「スクラップインセンティブ」と、スクラップは問わずにエコカーを購入する場合の2通りに分かれる。

前者の場合、初期登録(届け出)から13年以上の古いクルマを直近で1年以上使用したことが条件になる一方、新たに購入する新車も1年以上乗ることが支給条件となる。

スクラップインセンティブの補助金対象となる新車は、「2010年度燃費基準」達成車だが、実際にはほぼ全てのクルマに適用と考えてよい。廃車手続きと新車購入は、どちらが先でも構わないが、両方を3か月以内に完了する必要がある。補助金は乗用車の場合、登録車で25万円、軽自動車で12万5000円と高額だ。

一方、スクラップインセンティブに該当しないユーザーがエコカーを購入する場合も登録車で10万円、軽自動車で5万円の補助金が出る(いずれも乗用車)。この場合に対象となる新車は、排ガス性能が4つ星「☆☆☆☆」であり、かつ「10年度燃費基準」を15%以上達成したものと、ややハードルが高くなる。

◆7月には前年比プラスに浮上?

しかし、こちらも対象車は、メーカー各社から数多く用意されている。減免税や今回の補助金は、ハイブリッド車のための制度と誤解する向きもあるようだが、通常のガソリン車などにも幅広く適用される。

申請は販売会社を通じて行い、経済産業省によると、補助金は申請から数週間程度で交付される。補助金制度は今年度だけの措置となるものの、経産省は対象車両の台数見通しから「本年度末まで十分な予算を確保している」という。

国内の新車需要は、前年比で3月が25.3%減の底となり、その後は徐々に減少幅が縮小しているものの、5月までは2ケタ減が続いた。今月は1ケタに縮め、需要期の7月にはプラスに浮上といきたいところだ。それは十分可能と見る。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  2. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 新型『ムーヴ』『ステラ』のコーナリング性能を向上、ブリッツの車高調「DAMPER ZZ-R」シリーズ
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る