【メルセデスベンツ Eクラス 試乗】Sクラス に通じる雰囲気…岡本幸一郎

試乗記 国産車
【メルセデスベンツ Eクラス 試乗】Sクラス に通じる雰囲気…岡本幸一郎
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まずは、丸目じゃなくなったことを喜んでいる。今のメルセデスに丸目は似合わない。

『Eクラス』について、筆者はかつて3代前の「W124」型を所有し、素晴らしいクルマだと思っていた。ところが、丸目になった先々代の「W210」型や、続く先代「W211」型にもたまに乗る機会はあったのだが、すっかりEクラスに所有欲がわかなくなっていた。見た目が好みでないこともあるが、どうも当時のメルセデスは、それまで培ってきたものを、いかに安くつくるかという方向に傾倒していたように思えたからだ。

それはどのクラスでも同様だったが、さすがに『Sクラス』はまだいいほうだったので、これなら少々無理をしてもSクラスを買うか、あるいはもう少し安価なライバルメーカー車を選んだほうがいいのではと感じていた。

しかし、さすがにここまで落としてはいけないと考え直してか、比較的最近モデルチェンジした現行Sクラスや『Cクラス』では、往年のメルセデスらしさがもどってきたように感じられた。そして最後発となるEクラスも、まさにそうだった。

乗れば、高い静粛性や、快適な乗り心地には、Sクラスに通じる雰囲気が感じられる。これならSクラスを愛用してきたユーザーが乗り換えてもあまり不満はないのではと思うほどだ。安全装備や快適装備についても世界最先端といえるほど充実している。ひさびさに「欲しい!」という気持ちが湧いてきた。

ただし、パワートレインは熟成されているが、大変更されたシャシーには、まだこなれていない部分も見受けられる。ときおり顔を出す微振動や、ダイレクトステアリングの操舵フィールなど、もう少し改良を待ったほうがいいようにも思う。

また、実はエクステリアデザインもまだあまり目になじんでいない。全体のボディパネルの面構成は意外と単純だし、リアフェンダーに2本入ったラインには違和感があるし、リアビューの、とくにテールランプは高級感が足りないように思う。これらがそう遠くない将来によく見えてくるのだろうか? いつものように……。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経て、フリーランスとしての活動を開始。軽自動車から輸入高級車、最新モデルからヒストリックカー、カスタマイズ事情からモータースポーツまで、幅広い守備範囲を自負する。「プロのクルマ好き」として、常に読者にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。現在はウェブ媒体を中心に執筆中。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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