双日は10日、スペインの大手ステンレスメーカーであるアセリノックス社と日新製鋼がマレーシアのジョホールバル地区で建設を進めている同国初のステンレス冷延工場向けの冷間圧延設備1基を受注したと発表した。受注金額は約50億円で、双日が三菱日立製鉄機械と共同で機器納入、据付工事を行うターンキー契約となる。
アセリノックス社と日新製鋼の合弁会社であるバル・ステンレス社は、東南アジアで自動車や家電、建材向けにステンレス鋼板を販売していく計画。バル・ステンレス社では、将来的に年間100万tの生産能力を持つステンレス一貫製鉄所にまで工場を拡張することを視野に入れている。第1段階として約300億円を投資して、年間24万t(冷延能力は年間18万t)のステンレス冷延工場を建設する計画。工場の生産開始は2011年初めの予定。
今回受注した冷間圧延設備は、双日が販売・製造のライセンスを保有しているセンヂミア式20段圧延機で、多段ロール構造により、大きな圧下力で圧延することができ、ステンレス鋼のように硬い素材を圧延するのに適している。また、高い制御能力により、高品質のステンレス鋼板を生産することができるのが特長。冷間圧延工程はステンレス鋼板の品質を左右する重要な工程で、三菱日立製鉄機械の高い技術力が評価されまた。電気品は日立製作所が製造する。