富田林のひきずり事故、懲役17年を求刑

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昨年11月、大阪府富田林市内で泥酔状態でクルマを運転し、新聞配達員のバイクと衝突。この配達員を約6.6kmに渡ってひきずり、死亡させたとして殺人などの罪に問われた42歳の男に対する論告求刑公判が17日、大阪地裁堺支部で開かれた。検察側は裁判所に対し、懲役17年の実刑を求めている。

問題の事故は2008年11月16日未明に発生した。富田林市錦織東3丁目付近の国道170号で、通行人が中破した状態で転倒・放置されている新聞配達用のバイクを発見し、警察に届け出た。状況からひき逃げされたとみられたが、周囲に運転者の姿は無かった。

事件が進展するのはそれから数時間後。バイクが発見された場所から直線で約5km離れた河内長野市小塩町付近の駐車場で後頭部挫滅状態で死亡している若い男性を発見。後にこの男性が富田林市内で発見されたバイクに乗っていた16歳の新聞配達員と判明した。警察では近くに駐車されていたクルマを所有する41歳の男を逮捕している。

男は前夜に多量の酒を飲んだにも関わらず、帰宅するためにクルマを無免許で運転。居眠り状態のまま男性のバイクに追突していた可能性が高まった。クルマの底部に巻き込まれた男性は即死したわけではなく、事故から数分は生存していたことも後に判明している。男は後に殺人や道路交通法違反の罪で起訴された。

17日に大阪地裁堺支部で開かれた論告求刑公判で、検察側は「被告には被害者をひきずっている認識があったが、自己保身のために停車しようとしなかった」と指摘。「その結果は残酷であり、人命軽視の態度も悪質で、言語道断」として、裁判所に対して懲役17年の実刑を求めた。

これに対して被告弁護側は「被告は飲酒の影響で判断力が低下しており、殺意という認識が無かった」と主張。殺人罪の適用除外を求め、結審した。

判決は8月21日を予定している。

《石田真一》

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