今年5月、東京都品川区内で、男性が暴走族とみられるグループに暴行された事件について、警視庁は7月28日、東京湾岸地区を拠点にする暴走族の、中国籍を持つ男を逮捕した。グループは他地域のバイクの運転者に「モグリ狩り」と称した暴行を加えていた。
警視庁・少年事件課によると、問題の事件は今年5月10日の午前2時25分ごろ発生した。品川区東品川付近の都道を仲間のバイク2台と共に走行していた18歳の男性に対し、地元を活動拠点とする暴走族のメンバーが襲撃。数人で殴る蹴るの執拗な暴行を加え、現金約3000円やバイクのキーを奪って逃走した。男性は顔面打撲の重傷で、一時は失明の危険性もあったという。
警察では暴走グループに事件と断定。東京湾岸エリア(品川区、港区、江東区)を拠点に活動する外国人主体のグループが容疑に関与したものとして、調べを進めてきた。
この結果、このグループが「地回り」と称したパトロール活動を行い、その過程で発見した他地域からエリア内に進入したバイクの運転者に「モグリ狩り」と称した暴行を加えていたことが判明。7月28日までに、主犯格の、グループのリーダーとされる中国籍を持つ20歳の男1人と、メンバーの少年5人を強盗傷害容疑で逮捕している。
調べに対し、主犯格の男は「自分はエスカレートする仲間を止めただけで、何もやっていない」と容疑を否認している。警察では同じエリアで活動する中国系暴力組織と何らかの関係がある可能性が高いとみて、男を厳しく追及する方針だ。