3日朝、沖縄県南城市内の県道で、路肩に停車していた大型路線バス車両が無人のまま滑走。バスは約350mに渡って走り続け、その間に対向車など6台と衝突を繰り返した。現場は下り坂。警察ではサイドブレーキが甘かったものとみている。
沖縄県警・与那原署によると、事故が起きたのは3日の午前8時10分ごろ。南城市玉城字仲村渠付近の県道で、路肩に停車していた東陽バスが所有する大型路線バス車両が無人のまま滑走を開始した。
動き出したバスは対向車線に進入。約150m走行したところで対向車線を順走していた乗用車2台と次々に衝突。この弾みで自車線に押し戻されたが、バスはなおも止まらずに走り続け、今度は信号待ちをしていた車列に突っ込み、乗用車4台が玉突き状態となった。この事故で4人が打撲などの軽傷を負っている。
バスは最終的に街路灯柱に衝突。行く手を阻まれたことで停止したが、滑走開始地点からは約350mも離れた場所だったという。警察ではバスを運転していた51歳の男性から自動車運転過失傷害などの容疑で事情を聞いている。
現場は片側1車線。バスの進行方向へ下り坂となっていた。バスは車庫に戻る途中の回送車。運転していた男性は弁当を買うために降車していた。警察ではサイドブレーキの掛け方が甘かったものとみているが、男性は「しっかり掛けた」と話しており、今後は車両の検証を進めて事故原因の特定を急ぐ方針だ。