スバル『インプレッサ WRX STI spec C』は、エンジンがベース車両の『インプレッサ WRX STI』から大きく様変わりしている点もポイントだ。
エンジンは加速に主眼が置かれている。まず、ターボのレスポンスを高めるため、軸受け部にボールベアリングを採用して回転フリクションを低減。ECUも専用チューニングを施し、最高出力は227kW(308PS)/6400rpm、最大トルクは422Nm(43.0kgm)/4400rpmとインプレッサ WRX STIと変わらないものの、性能曲線的には加速性能が大幅にアップしている。
さらに、エンジンの全開時間の長いモータースポーツで望まれていた「インタークーラーウォータースプレイ」を標準装備。ラリーのSS区間の終盤など、非常に水温・油温が上がってくる時期にこの機能が働くことで吸気温度の上昇を抑制でき、充填効率を高めることで、エンジン出力のロスを抑えられるという仕組みだ。自動的に噴射する仕組みも選べ、噴射の頻度はラリーのグループNの長いSSでの走行時をベースに、どのぐらいかを決めたという。
また、燃料ポンプの構造まで見直しが行われており、高速コーナーでの高G旋回時でも安定した燃料供給を実現。鞍型のタンクに対し、ポンプとは反対側にあるタンクの底からもトランスファーパイプを通ってチャンバー内に移送できる仕組みで、より燃料を無駄なく使えるというわけだ。これにより、無駄な燃料を積まずに済み、より軽い状態で走りを可能とした。